スパイク ページ17
辰哉side
蓮 「辰哉くん？…新しいスパイク欲しいんだけど、」
「んー？スパイク？もう古かったっけ？」
照 「え、この前買ったじゃん？」
みんなで暇だねってリビングでくつろいでたら、蓮がスパイク欲しいって言い出した。欲しい物は基本何でも買ってあげてるけど、物を大事にする蓮が短期間に同じ物を欲しがるのは珍しい。
「この前のはどうしたの？」
蓮 「……ある」
照 「だよね？蓮があれがいいって言ったから買ったんだよ？」
蓮 「んん、でも…」
「俺は何でも買ってあげてるけど、それは蓮がいつも物を大切にしてくれるからなんだよ？すぐ新しいの欲しいって言われるのは寂しいなぁ。」
蓮 「でも、あのね、」
俺がちゃんと話したのに、でも、って言う蓮。
ここまで聞き分けが悪いことはないから、なんかあったのかなってちょっと心配になる。
「…もしかして、なんかあった？」
照 「ごめんな、蓮。話してみて？」
蓮 「あのね、色んなサッカー選手とコラボしてるスパイクが今、大人気なの。」
辰 「なんか聞いた気がするわ」
蓮 「こないだ欲しいって言った時は、俺の好きなサッカー選手はコラボしてなかったから今までと同じのを買ってもらったんだけど、」
照 「あ、その人がコラボ商品出したんだ？」
蓮 「うん、それがめちゃめちゃかっこよくて。しかも、みんな好きな選手のコラボ履いてるからいいなって。」
あー、そういうことか。蓮がその選手のことを大好きなことは、俺らが1番知ってるから欲しいって言っても納得する。
蓮 「でも、……さすがにまだ買ってもらったばっかりだから、大丈夫。…忘れてこの話。」
って、この話はここで終わったんだけど俺と照はモヤモヤする。
「今思えば買う時言ってたよね？待とうかなって、」
照 「でも、俺らが出るか分かんないよって言ったから蓮あれにしたんだよね。」
「買ってあげてもいいけど、やっぱりスパイクは１つを履き潰すのがベストだよね。」
照 「だよなぁ。みんなコラボって言われるとちょっと可哀想ってなっちゃうけどね。」
どうするっかなぁ。
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作者名：縺 | 作成日時：2021年1月24日 19時
