平凡な日常 (ページ11)

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高熱ページ11

辰哉side

朝7時。照と話しているとガチャと開いたリビングの扉。

「蓮？今日は寝起きいいじゃ……え！？」

蓮が自分で起きてきたから明日は雨かなとか思いながら振り返ると、顔が真っ赤でフラフラな蓮の姿。

照「大丈夫？じゃないよな…おいで。」

「結構熱高そうじゃない？体温計どこだっけ、」

照が手を引いてソファーに座らせたんだけど、一言も言葉を発しない蓮。俺は急いで体温計を持ってきて蓮に渡す。

「はい。…れーーん？熱測ろう？」

蓮「……んっ…しんど…い…」

照「しんどいなぁ。ちょっと腕抑えるからね。」

いつも以上にふわふわして涙目の蓮を見て、照が体温計を脇に入れて抑えてあげてる。

照「は！？やばくない、これ」

「38.2℃！？これはしんどいわ。部屋戻ろうか。」

俺がそういうと照が何も言わずにお姫様抱っこして立ち上がった。こういう時の為に鍛えてるもんね(笑)
ベッドに寝かし、布団をかけてあげるけどまだ寒そうだね。

「俺、毛布かなんか取ってくるよ。」

照「じゃあ、コンビニ行ってポカリと熱覚まシートとか必要なもの買ってくるね。」

取り敢えず看病できる用意を揃える為に役割を決めて、ベッド付近から離れようとしたら弱い力で服が引っ張られた。

蓮「……まっ……や…」

「ん？ごめんね。もう一回言ってくれる？聞こえなかった、」

蓮「……まって…1人やだ……」

そう言い俺の服を掴む手が少し強くなる。

照「そうだよなぁ、熱ある時に1人とか寂しいもんね。俺が毛布取ってきてから買いに行くよ」

そう言ってすぐに部屋を出ていく照は、本当に弟想いで優しい。

「蓮寝ていいからね。ずっと横にいるから。」

蓮「ん…手……」

差し出された手を握ると嬉しそうに笑って目を瞑る蓮。「早く良くなりますように」と願いを込めて寝癖のついたままの髪をふわっと撫でる。