【WT】硝子の靴は捨てた (ページ14)

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負かしちゃいましたページ14

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東部隊がA級1位となった。玉狛第一が遠征に行っている間に行われたランク戦で登りつめたのだ。A級1位となれば遠征部隊として検討される。上層部から遠征部隊につて考えてくれと伝えられ東は悩んでいた。遠征は普段の防衛任務と危なさが違う。そして東部隊にいる二宮が少々自分の力に過信している所がある。如何したもんだが、と考えているとランク戦ブースが妙に騒がしかった。

「うわぁ……。あの二宮さんがボロボロじゃん」
「蓮月って玉狛第一の遠征部隊の奴だろ？流石の二宮さんも遠征部隊には負けるかぁ」

ランク戦のモニターには蓮月に追い詰められてる二宮が映っていた。片腕で対抗しようとしているが、蓮月がそれを許さず二宮の腕をぶった斬る。何も出来なくなった二宮の身体の上に蓮月は跨って何かを呟いている。そして最後には二宮の首を切断して立ち上がった。

［二宮 1-10 蓮月］

ランク戦ブースにスコアが表示される。隊員たちが唖然としているなかブースから出てきた蓮月は何食わぬ顔だった。

「蓮月」

東に呼ばれて蓮月は挨拶をし、「すみません。東さんのエースさん負かしちゃいました」と謝罪をする。言葉と裏腹に蓮月は相変わらず無表情だ。

「あの人、リアルタイムで弾道をあそこまで引けるのは使えますね。今ここで失うのは勿体ないから遠征に連れてきちゃ駄目ですよ」

そう言って蓮月はランク戦ブースから立ち去る。少ししてから二宮が不満気な顔で出てきた。東は二宮に声を掛けて話を聞いてみると、蓮月から二宮にランク戦に誘ったらしい。二宮も遠征部隊である蓮月に興味があったのでその誘いに乗ったものも結果的にはボロボロにされた。

「A級1位のエースと期待してたのにこんなに弱いんですね。これなら太刀川さんと戦うほうが楽しいや」

最後にはこの一言だ。二宮が不機嫌になるのも仕方がない。東は苦笑しながら「許してやってくれ」と二宮を宥めた。

その後、三輪も蓮月にランク戦を申し込まれては0-10のスコアを叩き出され、まだまだ力不足だと実感した東部隊は遠征に行くことはなくなった。