集会の時間 ページ10
･
椚ヶ丘中学校は月に一度全校集会がある。E組の生徒は他の生徒より早くに体育館に着かなければならなく、昼休みを返上して向かわないといけない。集会に間に合うように、E組の生徒が山を下って本校舎に向かう中、赤城は先に本校舎にある生徒会室にいた。
赤城が生徒会室に居るのは、椚ヶ丘中学校の生徒会長であり、理事長の息子である浅野学秀に呼ばれたからである。浅野は優雅にソファーに腰を掛けながら、淹れたての紅茶を口にしていた。そんな浅野に赤城は「呑気だなぁ」と笑っている。
「元気そうだな」
「え、心配してくれたの？明日の天気は槍？」
「僕を何だと思っているんだ」
「頑固坊っちゃん」
「A……」
浅野は赤城を睨む。だが、赤城は気にせずポケットから携帯を取り出してはゲームのアプリを開き始めた。
「E組の担任さ、意外とこういうのに煩いんだよ。それに、あっちの電波は悪いし、サボり場もないから困るや」
「生徒会室もサボり場じゃないぞ」
「えー。浅野くんが何も言ってこないから私のサボり場だと思ってたや〜」
赤城は慣れた手つきで画面をタッチをしたり、動かたりしている。
「あ、昨日頼まれた資料はさっき渡したファイルに挟んだけど、あれぐらい浅野くん一人で出来るでしょ」
「あぁ、出来るさ。だが、Aが副会長としての仕事を成してもらう為にしてもらったんだ」
「E組に落ちた生徒に副会長続けさせられるなんて、浅野くん度胸あんね」
「お前は別に成績で落ちた訳じゃないだろ。それなら問題はない」
「わぁ。すっげぇ発言するじゃん。ウケる」
ゲームが終わったのか。赤城は携帯をポケットに仕舞い、横に置いてたブレザーを羽織った。
「じゃあ、他の人に見られる前に集会に戻るよ」
赤城は腰を上げて、生徒会室を出ようとすると浅野に呼び止めれる。浅野は赤城に近寄り、少し曲がったネクタイを直す。
「身だしなみぐらいはしっかりしろって言ってるだろ？」
そして横にハネた髪を梳いてくれた。浅野の結んだ唇だけが微かに笑みを浮かばせている。久しぶりに浅野の笑った表情を見た気がした。赤城はぱちくりと目を大きくさせてから、釣られて笑っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茨の谷の第2王子 - 七巳流さんがコメントしてるとこに僕よく来ますねー。好きな作品が同じ感じなのかもですね！ (2022年8月23日 3時) (
レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - 七巳流さん» コメントありがとうございます〜！そう言ってもらえると嬉しいです！ (2022年7月11日 1時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - あー、タイトルでわかった。好きな作品だって。神 (2022年7月4日 18時) (レス) @page10 id: 4e0be9540d (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - takumaさん» コメントありがとうございます。これかも面白いと思えるような作品作りを頑張ります！ (2022年6月1日 23時) (レス) @page31 id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
takuma(プロフ) - うわぁぁ！！めちゃくちゃ面白いです！更新楽頑張ってください！ (2022年5月31日 19時) (レス) id: dc17093e21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミワ | 作成日時：2022年5月16日 0時
