学園祭の時間 ページ36
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学園祭の季節が近づいた。つまり、生徒会が忙しい時期である。今年は浅野くんがE組に対して対抗心は燃やしているせいか、生徒会の仕事が例年より多い。そのおかげで私は本校舎とE組の教室を行ったり来たりの生活を過ごしていた。
「誰よ！二学年の報告書纏めたやつ！計算全部ズレてるじゃない！」
「おい。3年B組の企画書誰が取ってこい！今日までに三学年のは纏めなきゃいけないぞ！」
「赤城！お前暇だろ！これを職員室に持っていけよ！」
生徒会室は地獄だ。授業と学園祭の準備のおかげでいつも以上に周りはピリピリしている。浅野くんがどこかの食品会社と契約を結びに行ってる間、私が指揮をとらなきゃいけないのだが、それはこの人らにとって火に油。浅野くんがいないばかりに、ここぞと当たりが強い。
此処に居るのも気分が悪いので、投げつけられた報告書を持って職員室へ。何人かの生徒か此方に視線を向けてくる。ただその視線は今までみたいな敵意は感じなかった。ま、それなら気にしなくてもいいか。
「じゃあ来たついでにこれを生徒会で処理してくれ」
先生から渡した報告書と交換するかのように、大量の紙束が渡される。幾ら訓練で鍛えているとはいえ、この量は重い。一人で運ぶ量じゃないの分かるだろ、あの馬鹿教師。小さく舌打ちをし、フラついた足取りで来た道を戻っていくと、持っていた報告書が軽く感じた。
「浅野、くん」
「手伝うよ」
帰ってきたのか。浅野くんが半分持ってくれた。
「……ありがとう」
小さな声でお礼を伝えて、私たちは何も話さず生徒会まで歩いた。浅野くんが戻ると、生徒会のメンバーの顔は明るくなっては、聞きたいことすべて浅野くんに質問をする。一人一人の質問を丁寧に答えて処理していく浅野くんの姿を見ていると、烏間先生を思い出した。
「赤城さん。E組の企画書まだなんだけど？」
「あぁ、それはごめん。今から取りに行く」
机の上に報告書を置いて生徒会を出ようとしたら、浅野くんに呼び止められた。
「外は寒いから、僕のだが着てくれ」
浅野くんが私の肩に自分のブレザーを掛けてくれた。生徒会の女の子たちの嫉妬の声が上がる。好意的な笑みを浮かばせている浅野くんを見ることも出来ず、早足で私は生徒会室を出て行った。
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茨の谷の第2王子 - 七巳流さんがコメントしてるとこに僕よく来ますねー。好きな作品が同じ感じなのかもですね！ (2022年8月23日 3時) (
レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - 七巳流さん» コメントありがとうございます〜！そう言ってもらえると嬉しいです！ (2022年7月11日 1時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - あー、タイトルでわかった。好きな作品だって。神 (2022年7月4日 18時) (レス) @page10 id: 4e0be9540d (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - takumaさん» コメントありがとうございます。これかも面白いと思えるような作品作りを頑張ります！ (2022年6月1日 23時) (レス) @page31 id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
takuma(プロフ) - うわぁぁ！！めちゃくちゃ面白いです！更新楽頑張ってください！ (2022年5月31日 19時) (レス) id: dc17093e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミワ | 作成日時：2022年5月16日 0時
