３ ページ34
・
目を覚ますと真っ白な天井が目に入った。私の部屋じゃない。そう思い顔を横に動かすと、椅子に座りながら眠っている佐々木さんの姿が見える。そこで病室だと理解した。
佐々木さんを起こさないようにベットから降り、病室を出ると入口に防衛省の人が立っていた。私を見ると、「烏間さんを呼びますので向かいの待合室でお待ち下さい」と烏間先生を呼びに行く。
「目を覚ましたか」
数分して、烏間先生が来る。自動販売機でミネラルウォーターを買い、それを私に渡してくれた。
「何日眠ってました？」
「二日だ」
「そうですか。……まさか風邪で倒れるなんて思いませんでした」
ペットボトルの蓋を開ける。良かった、握力は落ちてなさそう。
「誰に閉じ込められた？」
水を飲んでいると、烏間先生がひどく神妙な顔つきで訊ねた。彼処は監視カメラはないはずなのに、もう調査しているのか。なんて事を考え私はとぼけた声で「運悪く開けれなかっただけです」と言う。烏間先生は大きく目を開かせた。そして、大きなため息を吐く。
「……君がそう言うなら、理事長にもそう伝えとく」
▼▽▼
「カルマ」
「なに」
「サボるなら一人でサボってくれ」
「倒れた時、俺がわざわざ運んでやったんだから、今日は俺の言う事聞けよ」
私の膝の上に頭を置いて寝ころんでいるカルマ。
事の始まりは、カルマと学校で出会ってから。教室に着いた途端、カルマのサボり場まで私を連れ出した。そして私に正座させては、頭置いて寝転んで今の現状になったのだ。
遠くから授業のチャイム音が聞こえる。そろそろ中間始まるから遅れた分取り戻したかったのに。景色を眺めていると頬に冷たいカルマの手が触れられる。何だろ？と思って顔を俯かせると、カルマはもの悲しげな表情を浮かべていた。
「なぁに？」
「可愛くない顔だなぁって」
人の顔になんてこと言うんだ。私じゃなかったらぶん殴られているぞ。
呆れてため息を吐き出すと、今度はもう片方の手が私の頬に触れられる。両頬を挟まれて動けなくなった私は只々カルマの顔を見つめることしかできなかった。
「ほんとブッサイクな顔」
「今日のカルマは冷たいなぁ。私泣いちゃうや」
「泣きたきゃ泣けば？それに、俺は泣いてくれる方が嬉しいし」
あ、泣いたら拭いてあげる、と涙を拭う素振りを見せる。やっぱり怒ってんなカルマ。「心配かけてごめんね」と言うとカルマは「いやだ」と私の左手を掴んでは薬指を甘噛みしてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茨の谷の第2王子 - 七巳流さんがコメントしてるとこに僕よく来ますねー。好きな作品が同じ感じなのかもですね！ (2022年8月23日 3時) (
レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - 七巳流さん» コメントありがとうございます〜！そう言ってもらえると嬉しいです！ (2022年7月11日 1時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - あー、タイトルでわかった。好きな作品だって。神 (2022年7月4日 18時) (レス) @page10 id: 4e0be9540d (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - takumaさん» コメントありがとうございます。これかも面白いと思えるような作品作りを頑張ります！ (2022年6月1日 23時) (レス) @page31 id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
takuma(プロフ) - うわぁぁ！！めちゃくちゃ面白いです！更新楽頑張ってください！ (2022年5月31日 19時) (レス) id: dc17093e21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミワ | 作成日時：2022年5月16日 0時
