【d!】この世の真理は結局顔【実ｼ兄者】

楽しい食害の時間です ページ22

｢ま、って下さいゾムさん……も、無理です……｣

｢なんや、まだ喋れるやん！！ほれまだおかわりはあるんやで？たーんと食いや！！｣

｢む"り"て"す"｣

｢み、みずも…のめ、へ…｣

｢朱雀、さんだ、けで、も…にげる、んや…！！｣



阿鼻叫喚。地獄絵図。傍観者である私はそんな言葉しか出なかった
ニコニコとご機嫌な様子でゾム先輩は先輩達の口に次々と注文したご飯を運んでいく。先輩達が恐れていたのはこれか、と理解してオレンジジュースを1口飲んだ

結局あの後、先輩達の手からは逃れられず、ファミレスでの交流会をする事になった。…これに関してはもう交流会ではなくゾム先輩の独壇場と言った方が正しいけど

隣に座ってるショッピも先輩達の惨状にドン引きしていた。一応私にもゾム先輩の魔の手が伸びたが、全てショッピが先輩達の犠牲を盾にして躱してくれた。ショッピお前は出来る男だな本当に



｢いやー、皆で飯食うんは楽しいな！！な、朱雀サン、ショッピくん！！｣

｢はは｣

｢何人か死んでますけど｣

｢疲れて寝とるんちゃうん？こういう時程飯食わなアカンな！！｣



やめてあげてください、それはオーバーキルです

目の前に山となって積まれているポテトを1つ摘み、私は乾いた笑い声を漏らした。あ、このポテト美味しい

私がポテトを食べているのを見たショッピもポテトに手を伸ばす。うすしおやな、と2人でポテトの味の感想を述べる。ここだけ平和だよ。目の前は地獄なのに



｢お？なんや2人とも美味しそうにポテト食うやん！じゃあ次は2人はこれを…｣

｢朝緑先輩、水島先輩がそのご飯食べたそうにしてますよ｣

｢ショッピくん！！？？？｣

｢なんやシッマ〜！！心配せんでもちゃんと食わしたるって〜！！｣

｢やめ、あ"あーーーッッ！！！！｣



ショッピの先輩を売るスピードが早すぎた。手馴れてるなこいつ
にたり、と悪い顔で食害(宇津井先輩が教えてくれた)を受ける水島さんを一瞥したショッピは、私に向き直ると｢俺たちは平和に飯食おか｣と言ってきた。そうだね。私達だけでもご飯は楽しく食べよう


交流会という名の緑の悪魔が降臨した｢たのしい！しょくがい｣は先輩達の犠牲のおかげで無事(？)に幕を閉じた。ちょっと生徒会2年メンバーとは仲良くなっ、た…のか？いや全然交流出来てませんけどね

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