【d!】この世の真理は結局顔【実ｼ兄者】

一難去ってまた一難 ページ20

胡蝶先輩に半ば引き摺られる様な形で図書室から出ていくゾム先輩。去り際まで笑顔で私に手を振っていた。反応に困るのでやめてください


先程まで賑やかだったので、急に1人になった瞬間に静寂が訪れる。え、寂し。図書室広いから尚更静かに感じる

とりあえず、帰宅する為に荷物を持って、カウンターに置かれた鍵を手にして図書室を後にした。鍵をちゃんとかけてね。偉いだろ褒めてくれ(当たり前のこと)


また迷いつつ、図書室の鍵を職員室にいる先生に渡して返す。1年生なのに偉いわねって褒められた。やったぁ！！！！！割と当たり前のことなので恥ずかしいですやめて


昇降口で生徒会の集まりが終わるまで待つ。待たないとショッピが騒ぐからな…

少しすると、賑やかな声が近付いてくる。聞いた感じ3〜5人位…かな？


ショッピかなと思って声のする方を覗けば、迷惑そうな顔をしていたショッピと目が合う



｢A！！｣

｢あ、ショッピお疲れ様｣

｢Aもお疲れ！！さっさと帰るで！！急ぎで！！｣


走って私に近づいたショッピが私の手を捕る。何だ何だ、焦った様子のショッピに首を傾げていれば、ショッピと繋いでいた方ではない、反対の手を引っ張られる



｢おいおいショッピくん〜！なぁんでそんなに急いでるんや〜？｣



私の手を引っ張ったのは、あの図書室にいたゾム先輩だった。表情はよくは見えないが、声色的にニヤニヤとしていると思う。うわ楽しそう



｢なぁ朱雀サン、ショッピくん冷たいと思わへん？センパイが一緒に下駄箱まで行こう言うてんのに、さっさと一人で行ってまうんやで？｣

｢え、そうだったんですか？｣

｢一緒に行こう言うてへんやろ！着いてきただけですやん、！｣



騙されたらアカンでA！！と言うショッピ。どっちか本当かは知らないけど腕引っ張らないで欲しい。普通に痛い



｢あ、やっぱり今日もAちゃんと帰ろうとしてたんや〜｣



ゾム先輩の後ろからひょこっと顔を出したのは宇津井先輩だった。ひらひらと私に手を振って、やっほーと軽く挨拶をしてきた。とりあえず両腕掴まれてるので頭だけ下げて挨拶しよ



｢あ、その人が例の朱雀さん？｣

｢お、朱雀さんやん。昼休みぶりやなぁ〜｣

｢おー！やっと例の朱雀さんに会えた！！｣



宇津井先輩が見えたと思えば、ゾロゾロと後ろから見覚えのある顔や、見たことない顔が私の名前を口々に言いながらやって来た。隣のショッピは舌打ちをした。成程、全力で逃げたい

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