邂逅 ページ22
弾かれたように声の聞こえた方を振り向いた
私の視線の先には、木の上に座っているフードを目深く被った男の子がいた
凄いバランス感覚。木の上に座るって難しくない？しかも胡座。天才かな
｢おじょーさまが来るところちゃうやろ、ここ｣
迷ったん？と緩く首を傾げて私に問うフードくん。あざといな
｢迷ったと言うより…迷いに来た…？｣
｢なんやそれ｣
｢街に行きたいんです｣
｢まち？｣
この森を抜けた先に街がある、とフードくんに言うと、フードくんは興味ありげに私を見てきた
｢なぁなぁ、まちって何があるん？｣
｢え？うーん…食べ物…とか？｣
｢飯！美味いもんあるん！？｣
｢あると思いますけど…｣
｢なぁなぁ！俺もいっしょにまちに行ってええ！？｣
興味津々と行った様子で此方に聞いてくるフードくんに気圧され、思わず頷いてしまった。…まぁ、1人より2人だ。一緒にいた方が楽しめるだろうし、もしかしたら意外な手掛かりとか掴めるかもしれない
木から降りてきたフードくんに手を取られ、｢はよいこか！｣と楽しそうに言われてしまった。この子はこの森で住んでるのかな。街に出たらちょっと案内するのもアリだろう
…私も薔薇の国の街、行ったことないけど
｢や、やっと着いた…！！｣
｢おじょーさま思ったよりたいりょくないんやなぁ｣
森をぬけて街に辿り着いた時には既に疲労困憊。自分の体力の無さに絶望していたところにフードくんからの言葉に心が折れかけた。皆まで言うな
深夜に屋敷から出ていたはずだったのに、街に着く頃には朝になっていた。街の人達もチラホラと商売の準備に取り掛かっていた
ふと1人の商人さんと目が合うと、露骨に嫌な顔をされた。ちょっとやめて傷付くんだから
｢見て、悪魔の子が…｣
｢本当だ、どうしてこの街に？｣
｢街に不幸を齎しに来たのね…｣
ヒソヒソと、ありもしない噂を立てていく街の商人達。そう言えばこの見た目は悪魔みたいって言われてるんだったな…
見た目でとやかく言うの現実とそっくりだなぁ。他人事だと思ってるのでダメージ全然ねぇや
まあ人の悪口を言ってる現場に居合わせるのは気分が良くないな、と出掛けた溜息を飲み込もうとした時、影が差す
私の前に、フードくんが立つ
｢大丈夫やでおじょーさま。俺守ったる｣
私とほぼ変わらない年齢のフードくんはそう優しく笑っていた
何故か私は、彼が将来騎士になる様な気がしたのだった
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暁 - たはーッこれは？もしかしなくても？ヤンデレなのではァ！？ありがとうございます！！！！！ (8月7日 17時) (
レス) @page19 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
海栗甘海老 - ( ,,`･ω･´)ﾝﾝﾝ？大好物のヤンデレ行っちゃう？⁇行っちゃう???てか天才的な閃きをした……！この作品神作品だから作者も神様なのでは…？ (2022年1月1日 6時) (レス) @page28 id: 92d4b2d08c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - すげえ素敵で、何か、綺麗なお話だ(語彙力はクソですので気にしないでくだせえ)なんか、裏があんのかな、？凄い考察しがいがありますね！天才ですか！更新頑張ってください！応援しますう！続きがきになるんごー！ (2021年11月2日 16時) (レス) @page22 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
兎茅瑚(プロフ) - つゆさん» コメントありがとうございます！応援ありがとうございます〜！！考察出来るように日々更新頑張ります！！ (2021年10月24日 21時) (レス) id: 9fd4ac68bb (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - おもしろそう、、、転生してきたのを本当は知っている、、？やばい、考察が止まらないです！！これからも楽しみにしてますね！頑張ってください！！ (2021年10月24日 13時) (レス) @page15 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
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