Don't tell me it's over __

22.可能性 ページ22

_樹side



樹『はっ…！！』




目を開けると、そこは病室だった。




陣『樹！！大丈夫か？！』



いつ来たのか、陣さんが俺の方に駆けてくる。




樹『あ…陣さ…俺、…』




陣『樹、うなされとったで？







怖い夢でも見たん？』



樹『…ちょっと、色々。




北人さ…』



俺の手には北人さんの手が握られている。



その手の先にはベッドに横たわっている北人さん。



"そっか…昨日…"





白くて綺麗な顔。




昨日に比べれば、だいぶ顔色が良くなっているような気がする。



樹『………陣さん』


陣『ん？』




樹『北人さんは、目覚めますよね。





絶対。』



陣『…そうやな。




目覚めるかどうかは、まだ誰にもわからん。




でも、北人はきっと







目覚めてくれるはずや。









だからその可能性を、樹が信じてあげな。』



樹『っ…はい。』








この時、俺はこの後起こることに









何も気づくことが出来なかった。

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