駄弁り廻戦。【呪術廻戦】 (ページ40)

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即バレなんて世の常ページ40

お寿司を食べた後、高専へ帰宅しそれぞれの部屋に向かう途中で私は気付いてしまった。

私の自室は女子部屋の方だと。

しかし今の格好は男で、このままでは不審者になってしまうということを。

「じゃ、また明日な釘崎ー！」

「おやすみ。」

手を振って別れる。

私はそのまま恵に着いて行こうとしてドンッと何かにぶつかった。

顔を上げるとそこには不機嫌そうな恵の顔。

「お前、自分の部屋戻れよ。」

「あっはは〜…この格好じゃ誤解招くからさ…。」

「知らねぇよ帰れ。」

「酷い！！」

シッシッと手を払われた私はギッと恵を一睨みして自分の部屋に帰る。

周りをキョロキョロと見渡し誰も居ないことを確認すると、そろりと足を伸ばす。

その姿は宛らスパイ。

「…何をやっている小娘。さっさと行く方が得策じゃろうが。」

「この格好で自室へ向かう姿が野薔薇ちゃんにでもバレてみろよ！何のために私変装したのさ！」

「…うつけが……。」

儂は甘味が切れてきたのだ、早くしろとのぶちんに急かされつつもササッと身を隠しながら辿り着いた自室。

ああ良かったやっと辿り着い＿＿＿＿

「あんた何してんの、そんな所で。」

「！？」

「ほれ見ろ。」

ドアノブに手をかけている私に向けられた視線は冷たい。

ギギギと音が付きそうな感じで目を向けたらそこに立っていたのは野薔薇ちゃん。

あぁ、終わった。

「ここは女子部屋よ。男のアンタが何し…呪霊！？」

「あ、あのこれはその…！」

「さっさと離れろ！相当やばいわよその呪霊！」

構える野薔薇ちゃんの言葉と同時に背後で低くほう？と呟く声が聞こえる。

甘味切れののぶちんが半分キレ始めた証拠だ。

まずいことになったぞ…！

待って！と声を出そうと瞬間肌にビリビリとした威圧感を感じる。

その正体は紛れもなく私の頭を肘置きにして目の前の野薔薇ちゃんを見下ろす彼。

「控えよ。儂を誰と心得える、この痴れ者が。」

「っ！？」

呪力だけの威圧ということは分かりきっているのにそのプレッシャーは重い。

宥めようとした時、私の頭にフワと涼しい風が吹いたのを地肌で感じた。

瞬間目の前に散るのは髪の毛。

「……は？」

「ん？……えっ！？あ！？落ちてる！？」

「小娘のしょうもない気遣いで折角の甘味が不味くなってしまう。儂は先に部屋へ戻るぞ。」

「ちょっと待てぇぇえ！！！」

するりと私の部屋に入っていったのぶちんと、取り残された私と野薔薇ちゃん。

…気まずい。