香具師 ページ37
五条side
「凄い美味しかった！また行こうねゴジョセン！」
「勿論！次どこ行きたいか考えて起きなよ？」
ホテルを後にして帰ってきた頃には暗くなっていた。
危ないからと高専までAを送る。
別れようとした時、僕はずっと気になっていた事を聞く為に引き止めた。
「何をする白髪頭。」
「A、信長借りてもいい？」
「？どうぞー！のぶちん、私部屋に居るからね。」
バイバイ！と笑顔で手を振り去っていく彼女に軽く手を振り返して用がある人物を見る。
顔を顰める目の前の男からフワと霊体が出てくる。
その瞬間目を覚ました、憑依されていたはずの男。
「…わ、これはこれは。あの五条悟さんじゃないですか。」
「やっぱり君、呪術師か。」
「ご挨拶が遅れました。俺は香具師秀斗。Aの幼馴染で、あの子の��初恋の相手��です。」
「……最後のそれ要る？」
ニコと笑う目の前の男。
名前を聞いて、最近話題の一級術師を思い出す。
そういや
「気になってそうだったので、一応説明させて貰っただけですよ。」
「秀斗、甘味は美味かったぞ。」
「信長様に満足頂けたなら僕も嬉しい限りです。」
では儂は戻る。と僕の目的を見透かしたかのように笑う信長に、歴史に残る偉人には勝てないなと薄く笑った。
そして目の前の男に冷たい視線を投げかけた。
「君さ、上層部からの差し金でしょ。」
「………さぁ、なんの事ですかね？」
「とぼけても無駄だよ。名前を聞いて思い出したけど…上層部の一人の付き人してるよね？」
最強の代名詞とも言われるこの僕に、少しでも攻撃を入れたAの事が伝わるのは早かった。
どれだけ帳を貼ろうとも筒抜けになっていたお陰で、案の定とでも言えばいいのかAは今や上層部の格好の的だ。
「危険性が無いか見に来た所かな？」
「そんな殺気を漏らさないで下さいよ。かの有名な五条悟に一介の呪術師である俺が適う訳ないじゃないですか。」
ふと真面目な顔をして僕を見てくる目の前の男。
「それに、危険性があっても貴方の監視下であるときちんとこの目で確認出来ましたから。」
対処出来るのも貴方ぐらいでしょうしね？と言ってくる目の前の男はどこかに電話を掛けようとしていた。
相手はコイツの上司だろう。
「もしもし庵先輩、これからそっちに戻ります。」
「…なんで歌姫の名前が出てくんの？」
「俺、京都で教師してるので。」
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作者名：恋＠眼鏡 | 作者ホームページ：http://sukinaharahasakuradeui
作成日時：2021年11月7日 20時
