ピンク君の今後 ページ31
「うわっ！」
「っ…！」
風と煙で閉じていた目を開けた少し下には宿儺の顔。
また目が合った宿儺は恐ろしい笑顔を私に向けた後、楽しそうにゴジョセンへと攻撃を仕掛けに行く。
思わず震え上がってしまった私は、情けなくその場にへたりと座り込んでしまった。
「大丈夫か織田？」
「ムッ…無理、何アイツ超怖い！」
「ハッハッハッハッ！！狙われたな小娘！呪霊に好かれる体質でもあるのではないか？」
「何それ！？そんな体質いらないんだが！？」
するとゴジョセンがカウントを始める。
恵は溜息を吐いているし、私は呆然と目の前の光景を眺めるしかない。
するとピタッと止まり顔を下げたピンク君は、次の瞬間大丈夫だった？と顔を上げた。
ゴジョセンは楽しそうにピンク君が制御出来てると喜んでいる。
そのまま彼に近寄ったゴジョセンはおデコを叩いた瞬間倒れ、抱えるようにしてこちらを見た。
「何、したんですか…？」
「気絶させたの。これで目覚めた時宿儺に身体を奪われていなかったら彼には器の可能性がある。」
「ピンク君が器？……何の？」
訳の分からない私の頭を軽く叩いた後ゴジョセンへと視線を戻す恵。
分からないから聞いたのに酷くない？
「さてここでクエスチョン！彼をどうすべきかな？」
「……仮に器だとしても、呪術規定に則れば虎杖は死刑対象です。
でも、死なせたくありません。」
「私情？」
「私情です。何とかして下さい。」
「恵が任務に私情挟むとか珍しくね！？明日は槍でも降んのかな！？…待って恵！叩かないで！ごめんじゃん！！」
もうお前は黙ってろと怒られたので口を閉じますAちゃん。
ゲラゲラ笑ってるのぶちんは無視。煩いもん。
「…クッフフ…可愛い生徒の頼みだ。任せなさーい！」
グッ、と親指を立てて私達に見せるゴジョセン。
何が何だかよく分かってない私は首を傾げてそのまま二人を見つめて居た。
「それとA。」
「うぇっ！？何！？」
「…恵を守る為とは言え、また無茶をしようとしたのは頂けないよ。サイコロ3つ使おうとしてたでしょ。」
「お前まさか…！」
「やっぱゴジョセンにはバレるのかぁ…。気を付けマース。」
観念するように両手を上げると頭にゴジョセンのチョップが落ちてくる。
普通に痛いし手加減を知らないだろこの不審者。
「反省してないのバレバレ。」
「だって…私は恵に余計な業は背負わせたくないし……私の前で馬鹿な真似する奴は許せないんだもん。」
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作者名：恋＠眼鏡 | 作者ホームページ：http://sukinaharahasakuradeui
作成日時：2021年11月7日 20時
