受肉 ページ29
壁に打ち付けられ、外に吹き飛ばされる恵。
すぐ後を追うようにピンク君が走り出す。
とんでもない身体能力を活かして攻撃するが呪力が無いため、効いてる様子が無い。
「のぶちん、もう一回いい?」
「一日二回以上すればまた暴走し兼ねん。その様な愚行等、儂は許さぬ。」
「大丈夫、もしもの時はゴジョセンが止めてくれるよ。」
止められるのは息の根やも知れぬぞ?と意地悪く笑うのぶちんに、それでもいいよ言うとバカ言うなと怒られた。
「小娘、貴様が愚かな世迷言を吐いている間に桃色の童が喰われそうになっておるぞ。」
「……待って、あいつが口に咥えてるのって…!」
ピンク君が顔でキャッチし、今は口の中に入れようとしているのは私達が探し求めていた特級呪物。
両面宿儺の指だ。
一般人の手には負えない代物なのに。
「俺に呪力があればいいんだろ!?」
「まさか!?」
「止めろおおお!!!!」
「ほぉ、アレを食うか。」
待って!?宿儺の指を食った!?
ヤバ、キモすぎ!アレ食べるとか精神どうなってんだよ!とのぶちんに訴えても、のぶちんは楽しそうにハハハと笑うだけ。
瞬間、二級の呪霊は吹き飛んだ。
ピンク君の腕一振りで。
「フッ…構えろ小娘、面白くなってきたぞ。」
「まじヤバくね…?え、恵これ…。」
「最悪の万が一が出やがった…!特級呪物が受肉しやがった…!」
素晴らしい!鏖殺だァ!と叫ぶピンク君と目が合う。
やば、死んだ。
直感でそう思った瞬間、ピンク君は不可解な行動を取り出す。
自分の顎を自分で掴み独り言をブツブツと言っているが今の私達はそれ所では無い。
「動くな!お前はもう、人間じゃない!」
「えーっと…習った気がする…あーちょっと待って……うわ思い出せない何だっけ…。」
「お前は黙ってろ。呪術規定に基き虎杖悠仁、お前を呪いとして…祓う!」
構える恵に私も臨戦態勢になる。
呪術規定がちっとも出てこなかった汚名返上だなんてこれっぽっちも思ってないよ!うん!
するとピンク君は何ともないから病院に行こうと言い出す。
でも、もしこれがさっきの呪物の戯言だったら私は確実に殺されるだろう事はさっき目が合ったので感じた。
恵もどうしたらいいのか迷ってるっぽい。
仮に今喋ってるのがピンク君だとしても呪物を取り込んでいるのだから問題無い。
…その時は恵の代わりに私が祓う。
人間だとしても、呪いだとしても、
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2021年11月7日 20時