献上せよ!現代の甘味! ページ24
「のぶちん、タピオカミルクティー買ってきたよー。」
恵と別れた後、部屋に入ると私のベッドの上で寛いでいるのぶちんが目に入る。
ある程度の距離なら自由に行動ができるらしいのぶちんは、高専に着いた途端勝手にふよふよと飛んで行った。
疲れたのか先にベッドへ横になりたかったのだろう、すぐ側のテーブルにタピオカミルクティーを置く。
チラとそれを見たのぶちんだが、珍しく起き上がろうとしない。
「小娘よ。」
「なーにー?」
「儂は今、猛烈に欲しているものがある。」
「タピオカミルクティーじゃないの?」
「まかろんと言うやつだ。」
勿論みるくてぃも頂くが儂は今まかろんの気分だ、とほざくおっさん。
まさか、また買いに行けと?…面倒くさっ!
「無いよマカロンなん、て……いや待って。」
なんじゃ?と私が荷物を漁るのを覗き込むのぶちん。
そんなのぶちんに、私はニヤリと笑ってやる。
「どうした薄気味悪い…サルでもその様な悪どい笑みは浮かべんかったぞ…。」
「フッフッフッ…のぶちん、私に感謝しなきゃだよ?」
ジャーン!と掲げたのは、任務や特訓後にご褒美にしようと思っていた高級パティスリーのマカロン六個セット。
おぉ!と感嘆の声をあげるのぶちん。
ミルクティーの傍に三個置いてあげると、これがまかろん!と目を輝かせていた。
「よくやった小娘!儂が天下統一を果たした暁には美濃辺りを貴様にやろう!」
「どの辺か分かんねぇし要らないよ!それより一緒に食べよ!」
着替える迄待ってて!と制服を脱ぎ捨てTシャツを拾った瞬間だった。
ガチャと扉が開く音がしたのは。
余程慌てたのか、髪型はグシャグシャで肩で息をしている。
かけているグラサンが片方ずり落ちようと、気にしていないゴジョセンが立っていたのは。
「A!今日駅で僕見たってほん…と…。」
「え。」
「…あ、えっとその、ごめん。」
静かにパタンと閉じた扉。
見られた?下着姿を?ゴジョセンに?…つかノックしろよ。
「イヤアアア!まさちんんん!!」
「どうした!?」
のぶちんが私の思考回路より早く動いたお陰か直ぐに駆け付けてくれたまさちん。
Tシャツを抱えながらエグエグ泣いている私を見て大慌てするまさちんに縋り泣く。
「ゴジョセンがっ…!ゴジョセンがぁ!!」
「悟か…!」
ゴジョセンに下着姿見られた!と扉が開いたまま大声で泣く私と宥めるまさちん。
その後五条は暫く変態教師と呼ばれる事になる。
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2021年11月7日 20時