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おっさんと私。2日目。 ページ16

おっさんが見えるようになった次の日。

朝起きてベッドから降りようとした時、虫と目が合う。

しかも目玉たっぷりの気持ち悪い虫と。


「パパアアアッ!虫が出た!!」

「お客さんが来てるから静かにしろA!」

「雅一、俺は気にしていないぞ。」


ドタドタドタと走って階段を下り、居間へ行くとそこに居たのはグラサンゴリラとハゲゴリラ。

一瞬サファリパークかと思った。

しかしパパに怒られてもキモイ虫が部屋に出たのに変わりはない。


「無理!キモイ虫が部屋に居るの!退治してパパ!」

「はぁ…すまない正道。」

「元気な娘さんで良いじゃないか。」


早く早く!と腕を引っ張り私の部屋へ入れる。

何処にいるんだ虫なんて、とパパがベッドの下とか隙間とかを探し始めるが違う。

いや目の前!窓枠の傍に目玉浮き出たみたいな気持ち悪いの居るだろ!!


「そこじゃない!アレッ!!」

「あー?……A、本当にアレか?」

「どう見たってキモイ虫なんてあれしか居ないじゃん!!」


早くしろとパパの方を見上げると、驚いた様な悲しそうな顔をして私を見ていた。

なんで悲しそうなのパパ。

後ろに立ってるグラサンゴリラもパパに向かってどういう事だと言っているし。

何がなんだかわからない、私自身で虫ぐらい退治した方が良かった…?


「パパ…?」

「キモイ虫ってこれの事か…そうかそうか…キモイかこれは!」

「いやアアアアッ!!!持って来るなあああああ!!」

「ハハハハハ!よく見ろA!これの事か!!」

「ふっざけんなこのハゲゴリラ!!」


パパに向かってイライラしながらそのまま外に出る。

するとどこか楽しそうに私の顔を覗いてきたおっさん。


「童、儂との誓約のおかげで目が良くなったみたいじゃのう。」

「私は元々視力良いし!つかマジであのハゲゴリラ有り得ないんだけど!」


いつも空手の特訓をする裏山に逃げてきた私。

相変わらずニマニマとした嫌な笑みを浮かべたおっさんに向かって蹴りを放つも空を切る足。


「儂に拳など効かぬと何回言えば分かる。」

「効かなくても私の憂さ晴らしには使えるの。」

「この娘はああ言えばこう言う…全く…どういう育ち方をしたのじゃ…。」


まるで尾張の大うつけよ。と笑って私の顔を見るおっさんは未だに空をふよふよと浮いている。


「所でおっさん名前なんて言うの?」

「…………貴様は本当に学び舎で学習しておるのか?」

「してるよ!漢字書けるようになったもん!」

まさちんとサイコロ→←柿を食っただけなのに



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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui  
作成日時:2021年11月7日 20時

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