パパとウニと、それから白髪 ページ13
「オラァ!はよ顔出さんかい!カチコミじゃゴラァ!」
「Aー、僕らはただの家庭訪問デスケド。」
実家の扉を意気揚々と叩く。
どんどんどんと叩くとピシャン!と勢いよく開いた扉。
パパが現れたと思ったら、そのまま素早く私の頭をスパンッと叩くクソ親父。
余りの痛みに悲鳴を上げながら私は蹲って、痛てぇ〜!と悲鳴を上げる。
可哀想な私を、哀れな目で見てくる恵と馬鹿にした顔をするゴジョセンは絶対に許さない。
「お待ちしておりました五条様。何も無い家ですがどうぞ、お上がり下さい。」
「痛がってる娘は無視!?ねぇパパ!?」
「お邪魔しまーす!」
「お邪魔します。」
「え?嘘でしょお前ら…?」
フルシカト…?と震えながら私も家に入る。
私からしたらいつもと変わらない、少し古びた昭和の家って感じの我が家。
ゴジョセンは不思議そうにキョロキョロしながら我が家を物色していた。
失礼な奴だ。
「ゴジョセンと恵、麦茶でいい?」
「お構いなくー!」
「お茶菓子も出してやれA。」
「うぃーっ。」
任せろ!と親指を立てると早くやれと手を払われる。
いつもならもう少しノッてくれるのに、早くしろと怒ってくるパパ。
どうやらゴジョセンはよっぽど目上の人らしい。
…よく分かんないけど!
「改めまして、Aさんの担任をしています五条悟です。」
「同級生の伏黒恵です。」
「娘の織田Aです。」
流れで自己紹介するとまたもやスパンッと軽快な音が居間に響く。
痛ぁい!!と転がっていると父が自己紹介を始めた。
「初めまして。私はAの父で、織田
敬語は結構です、普段通りにして下さいと言うか言わないかの瞬間お言葉に甘えて!と姿勢と足を崩すゴジョセン。
お前、もう少し礼儀を持て!仮にも生徒の家だぞここは!
「お宅の娘さんをウチに入れた理由ってなんですか?」
「Aが東京の学校に行きたいと言ったからですね。」
「ダウト、学長との繋がりと言い元々入れるつもりだっただろ。」
答えろ、と人の親に向かっていきなり圧を飛ばす五条先生。
そんな態度の先生に私も半ギレ。
私の異変を感じ取ったのか恵がおい、と声をかけてくるが遅かった。
「今、まさちんは関係ねぇだろ。それに私が東京に行きたいって言ったのも本当だし。」
「Aが言わなくても高専に入れてたよ。君のお父さんも、学長もね。」
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2021年11月7日 20時