織田という女 ページ12
伏黒side
ある日の昼休みの事。
織田から急に放課後暇?と連絡が来た。
今日は任務も入っておらず、暇だと連絡を返すとドダダダという足音が聞こえてくる。
俺が溜息を吐くのと同時にバァンッ!と開かれた扉の先にいたのは肩で息をしている織田。
「渋谷行こう恵!」
「一人で行け。」
「対応が絶対零度で泣いた。」
先輩方誘えよと言うと、既に全敗して来た後らしく項垂れている。
何か用事でも有るのかと聞くと、JKブランド引っ提げて渋谷を練り歩きたいだけと訳の分からない回答をする織田。
本当に訳が分からない。(二回目)
「いいじゃん渋谷くらい!新しい学校の友達と行きたいと思ってもいいじゃん!」
「お前、こっから渋谷だとそれなりに距離有るの、分かってて誘ってんのか?」
「え?そんな距離あんの?」
タンタンと織田の画面を叩く音だけが鳴り響く教室。
マップアプリで距離と時間を見たのか、しょんぼりした顔を浮かべた。
「分かってはいたけど…郊外すぎんかここ…。」
「諦めろ。」
すると何を思い立ったのかいきなり立ち上がったと思ったら教室を出て行き、暫くして戻って来る織田。
さっきから一人で何やってんだこいつ?と首を傾げていると、今まで見た中で一番いい笑顔でピースをして立っていた。
「明日から恵と私、外泊願い出して来たから!」
「…は?」
「ゴジョセンが家庭訪問したいって言ってたし丁度いいなって思って!私の実家に行くぞ!」
ついでに観光だーっ!と嬉しそうな織田だが、俺は頭の中が?でいっぱいだ。
じゃ!明日9:00出発ね!と居なくなったアイツに思わず待て!と声を掛けたがもう既に居なくなっていた。
「つか、家庭訪問て…何をそんなに確認したいんだ…?」
「さすが恵。察しがいいね。」
背後でいきなり声がしてうぉっ!?と振り返った先にはや!と手を挙げる五条先生。
普通に声を掛けて下さいと咎めるような視線を投げると、ごめんね!と何も気にしてないような声を出される。
「恵も不思議だと思わない?呪力もコントロール出来て、術式も持っているのに僕の事すら知らないで、完全に呪術界から切り離されて育ってきたなんて。」
「確かに…学長とも親しい感じを見て、知らないという事は無い、ですね。」
ましてや入学方法は一般入試だ。
「A、もしかしたらとても面白い
楽しそうに笑う五条先生の顔は、悪役のそれだった。
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2021年11月7日 20時