やさぐれ姉さん。3【SVT】 (ページ49)

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エピローグページ49

「ハンソル、また届いてるぞ。」

スンチョリヒョンが持ってきてくれるのは毎月一回届く、色々な国や地方の小物。

どこで手に入れた住所なのか、どこから知ったのか恐ろしいところがあれどその見慣れた字は昔に一度だけ見た事のある字と酷似している。

「ありがとう、ヒョン。置いといて。」

「にしてもまた変なゲームを始めたな？お前らは。」

「いつも持ちかけてくるのは向こうだよ。」

それじゃ、と部屋を出ていくスンチョリヒョン。

つい半年前迄は俺らを含んだメンバー全員が彼女への喪失感に打ちひしがれていた。

連絡も届かないし、何より誰も居場所を知らない。

あの日病室に居たヨシザワさんも起きた時には既に居なかったというし仕方がない。

そう気持ちに区切りをつけた頃合いだった。

ある日、俺宛の少し不審な荷物が届いているとシュアヒョンに教えてもらい受け取る。

中身を開けるとそこにはどこの民族か分からない楽器と、一言メッセージみたいなものが。

そこには「ゲームをしよう、私を捕まえられるかな？」とだけ書かれたカードが。

ワールドツアーで各地を回るようになった俺らと、同じワールドツアーのタイミングで同じ国に居るとだけ書いてある。

今回届いたのは、韓国の山間部あたりの名産物らしい。

一言メッセージには＂君らはいつまで韓国にいるんだい？＂と言ったような不満しか伝わらない文章が。

安心してよ、今回もSEVENTEEN(俺ら)が見つけてみせるから。

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「今日もタバコがうめぇな。」

風に靡く髪は、濡鴉のような真っ黒。

すると声がした。

私の名前を呼ぶ声が。

「次こそ逃がさないからな、覚悟しとくんだな。」

「ハハ、オネーサンたちも、どれだけ私なんかにご執心何だよ。」

いつ死ぬかも分からない私を、探すなんて。

それに本当に見つけると思わなかったわ、と笑うと取り上げられるタバコ。

オネーサンへと引き寄せられる腕。

「生きてて本当に良かった。タバコは体に悪いから没収だからな、バカ。」

「タバコ没収はキツいな。」

その後も後ろから名前を呼ぶ声がする。

わらわらと走り寄ってくる人影。

家族には申し訳ないけれど

もし、神様がいて私の事をもう少しだけ許してくれるのなら

少しだけこの幸せを噛み締めてもいいだろうか。

「散々迷惑かけたな。」

「全くだよほんと。」

「暫く煙草も禁止ですよヌナ！」

「それは困るな、なんてったって私はやさぐれ姉さんだからね。」