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「俊辉君、ここはあくまでもレディーの私室だよ?分かるか?」
私のベッドに堂々と横になってスマホを弄る彼。
半分呆れながら、顔を覗き込む様にスマホの上から顔を出す。
バチッと目が合った時にはもう遅かった。
腕を思い切り引かれ、ぼふんっとベッドに倒れ込む。
思わず瞑った目を開ければその上には、恐ろしい程整った美貌の俊辉君が居た。
どこかその目の色は暗くて、どうしたのだろうと不安にもなるがそんなことを言っている場合では無い。
「セギちゃんこそ、警戒心ってもの無さすぎじゃない?僕だって男なんだよ?」
「んな事今更言われてもなぁ…。それに私レベルの女にはそんなこと思わないだろう?君なら。」
そう少しだけおちゃらけて見せると少しずつ近づいてくる顔。
待て待て待て今流行りに乗ってるトップアイドルだろ君は、なんて思いながらグググッと胸板を押すがビクともしない。
ああこの筋肉ゴリラめ。
「セギちゃんが一体僕達の中で、何人から女として見られてるか気付いてないでしょ。」
「…は……?」
え、何それ。と固まると悲しそうな目をしながら、誤魔化すように、可笑しそうに笑う俊辉君。
すると視線が私の右目に。
しまったと思った時には遅くて、両腕が押さえ付けられてしまった。
いよいよこれでは馬乗り状態ではないか。
「セギちゃん、何これ。」
「た、たんこぶ…」
「違うよね?」
ほとんど見えて無いんじゃない?とまで言われ、嘘は付けないと頷く私。
するとどこか悲しむように腫れた右目を撫でて、そこに優しいキスを落とされる。
あまりにもナチュラルな流れにカァッと顔が赤くなる私。
「うっ…」
「?う?」
「うあああっ!!!!」
「!?!?」
火事場の馬鹿力とまではいかない迄もかなりの強さで俊辉君を押し返す。
すると部屋の扉からノックと声が聞こえる。
『瀬木ちゃん、大丈夫?』
『大丈夫です!』
『えっ、本当に…?』
ドタバタとドアを開けるとそこには吉沢さんが立っていて、視線は後ろの俊辉君にも注がれる。
『邪魔しちゃったかな…?』
『いえ!断じて!してませんから!!』
大丈夫です!と言い張り、自己紹介。
その流れのまま三人でご飯を行くことに。
私の準備も終わり、ホテルから出て少し歩いている時だった。
ズキン、と痛む頭。
立ってられないほどの痛みと吐き気。
呼吸が苦しく、視界が歪む。
まって、私、まだ。
最後に見たのは、星空と心配そうな二人の顔だった。
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ぴ(プロフ) - 最高でした… (2月29日 6時) (レス) @page50 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - jsmn579733371さん» ありがとうございます〜!顔が好みすぎてお亮さん拝借しました笑 (2020年4月12日 0時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
jsmn579733371(プロフ) - 主演俳優枠が吉沢亮なのがツボすぎて! (2020年2月20日 2時) (レス) id: bc3a6c1f44 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - かとれあさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りでございます泣 これからも頑張りますね! (2020年2月18日 21時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
かとれあ(プロフ) - やさぐれ姉さん大好きです(*´˘`*) (2020年1月27日 5時) (レス) id: 3fa9c6cc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2019年9月22日 8時