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WZside
「僕がここにいる理由はセギちゃんが、僕の目の前で倒れたからだよ。」
何事も無かったかのようにそう告げるも目は虚ろなジュンフィ。
俺の中はそれでもちょっとした事で直ぐに激情が走りそうになる。
「どういう事だ、お前は気付いていたのか?」
「気付いてなんかいなかったよ。本当に。」
気付きたくないことも気付いたしね、と呟くジュニ。
意味深にそう目を伏せられるが、今の俺はどうもその態度すら気に食わないらしい。
「お前、セギに何かしたのか。」
「…えっ?」
「お前の目の前で倒れたって事は何かしたのかって聞いてんだよ!」
「ジフニヒョン!」
これ以上はダメだ、分かっているはずなのに口は止まることを知らない。
するとまるでタイミングを狙ってたかのような『ん゛〜…。』と呻く声が聞こえる。
その方向を向くと例の俳優さんが起き上がってくるところだった。
『…えっ、増えてる…。』
「ジュニ…なんて言ってるかわかるか?」
「いや、分からない。」
『あっ、翻訳機翻訳機……。』
お互いに顔を見合せ少し首を傾げ合ったところで、ジュナの肩をかなり力強く掴んでいることに気が付いた。
悪ぃ、と謝るといつものように大丈夫と優しく笑うジュナ。
しかしその顔には気力は見当たらない。
すると俳優さんが俺らに改めて向き合って、自己紹介を始めた。
「僕は吉沢亮です。日本で俳優をしています。あなた達はジュンフィくんのお友達ですか?」
「…俺らは、ジュナと同じグループのメンバーです。俺がジフン、あっちがスングァンです。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
そう言って握手をするがヨシザワさんもどこか元気がない。
「今日、日本に帰国するんじゃなかったんですか?」
ジュニがヨシザワさんにそう聞く。
確かに飛行機の時間はずらせない。
日本の人気俳優と聞いたことがある、スケジュールも詰まっているだろう。
「キャンセルしましたよ。」
「「「えっ。」」」
「だって、今僕が日本に帰っちゃったら、誰が彼女を見守るって言うんですか。」
それは俺たちがと即答しようにも出来ない。
何せ俺たちにもファンがいて、仲間がいて、守らなければならないものも沢山あるからだ。
「僕はね、彼女のファンなんです。それもとびきりの。」
「僕も!Aヌナのファンです!ファンで、何より大切なヌナです!」
スングァンが対抗するように声を出し、手を上げる。
思わず笑みがこぼれてしまった。
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ぴ(プロフ) - 最高でした… (2月29日 6時) (レス) @page50 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - jsmn579733371さん» ありがとうございます〜!顔が好みすぎてお亮さん拝借しました笑 (2020年4月12日 0時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
jsmn579733371(プロフ) - 主演俳優枠が吉沢亮なのがツボすぎて! (2020年2月20日 2時) (レス) id: bc3a6c1f44 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - かとれあさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りでございます泣 これからも頑張りますね! (2020年2月18日 21時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
かとれあ(プロフ) - やさぐれ姉さん大好きです(*´˘`*) (2020年1月27日 5時) (レス) id: 3fa9c6cc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2019年9月22日 8時