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『韓国、そんなに楽しみにしてたの?』
私の隣でそう微笑むのは、今回の映画で共演した国宝級イケメンと名高い俳優。
吉沢亮さん。
私の買い物の量を見ると、そんな風に思うのも自然の摂理であると言うかなんというか。
仕方ないと思う。
『昔、住んでた時に仲良かった人達の好きな物を買っておけば日本に居ても思い出せるかなと思って。』
『…ああ、そういう事ね。』
どこか満足そうに、意味ありげにニヤニヤし出すからなんですかと怪訝そうにその顔を見つめる。
愉快そうにケラケラと笑うから肘で少し小突いてからレジへ向かう。
次に買うのは服と香水か…。
『少し遠いとこになるんですけど地下鉄乗ります?歩きます?』
『折角なんだし、歩いていこう。』
俺が色んな街並みを見たいからお付き合い願えますか?なんて、今回の映画の役のようなセリフと振る舞いをしてくるから思わず声に出して笑った。
すると吉沢さんも今の結構様になってたでしょ!と笑う。
『私でよければ是非!…でも日菜美ちゃんじゃなくて良かったの?』
『どうしてここで日菜美の名前が出てくるんだ?』
『…くっ、ふふっ…はははっ!もう無理っ!まじで、面白すぎる!』
『相変わらずの演技力だなー!ガチの撮影かと一瞬思い込んじゃった!』
それじゃ行こうかと歩き出す私たち。
次はサスペンス系で共演したいなーっと話す吉沢さんに少し申し訳なく思ってしまう。
そうですね、なんて簡単に言えない。
私が今買っているのは、私が死んでしまった時に
先に香水が売っている店舗に辿り着く。
この香水はわたしが個人的にいい匂いだと思った香水。
貰ってくれるならきっとミョンホくん。
買おうと思っている服はきっとハンソルくんかミンギュくんが貰ってくれるだろう。
少し遅れて歩く私に大丈夫?と手を差し伸べてくれる王子のような風貌の吉沢さんには、ブリザードフラワーをあげよう。
オネーサンとスンチョルさんには手紙を書こう。
迷惑を掛けただろうし、一番心配もかけたと思うから。
『…ねぇ、少しお茶でもしてかない?』
俺、コーヒー飲みたいな。と吉沢さんが指差すのは私が昔ミョンホくんと出会ったカフェだった。
懐かしい。
そんな遠い思い出でもないはずなのにとても懐かしく感じてしまう。
『…いいですね、ここ美味しいんですよ。』
『えっ、まじ!?ラッキー!いい所当てたな俺!』
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ぴ(プロフ) - 最高でした… (2月29日 6時) (レス) @page50 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - jsmn579733371さん» ありがとうございます〜!顔が好みすぎてお亮さん拝借しました笑 (2020年4月12日 0時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
jsmn579733371(プロフ) - 主演俳優枠が吉沢亮なのがツボすぎて! (2020年2月20日 2時) (レス) id: bc3a6c1f44 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - かとれあさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りでございます泣 これからも頑張りますね! (2020年2月18日 21時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
かとれあ(プロフ) - やさぐれ姉さん大好きです(*´˘`*) (2020年1月27日 5時) (レス) id: 3fa9c6cc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2019年9月22日 8時