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「間に合ったか!?」


ゼェハァと呼吸を整えて俺の隣に腰かけたのは、つい先程別れたセギさん。

余程走ったのか、それともお酒が回っているせいなのか、その頬は少し上気していてほんのり紅い。

一緒に入ってきたハンソルを後目にセギさんの分を込めた全員分の飲み物を頼み再び乾杯をする。

そうして暫く騒いだ時だろうか。

少し風に当たりたくて、外に居たら人の気配がしたから振り向くとセギさんが立っていた。

相も変わらず吸っているのはよくわからないメーカーのタバコ。


「…隣座るか?」

「いや、副流煙が回ったら悪いから遠慮しておく。」


そんな彼女の腕を風下側に引っ張り座らせる。

これなら俺に煙がかかることもないだろう。


「随分と強引な男だ。」

「強引に消えた人に言われたくないな。」

「……それもそうか。」


たまに吹く夜風が心地好く頬を撫でる。

隣からは時折深く吸い込む呼吸音。

そんな夜の時間を噛み締めていたら、何分くらいたっただろう。

ふと肩に重みを感じた。

なんだ?と思い顔を向けるとそこにはセギさんの顔がすぐ側に。


「…おーい。」


軽く揺するが起きる気配は無い。

むしろどこか幸せそうに頬を緩めている。


「あー…ダメだこれは。寝てる。」


セギさーん、と声をかけるがすぅすぅと規則正しい呼吸音のみ返ってくる。

流石に外に置いておくわけにもいかないしなと、カトクを開けばそこには夥しい量の通知が。

なんだと開けばメンバー達からで。

内容は何時まで外にいるんだとか、セギさん知らないかとか様々。

中に運ぼうにも俺一人で運んだら何かあらぬ誤解を生んでしまう気もして身震いする。

一番害のなさそうな奴にカトクを入れてそいつが来るのを待つ。


「……今まで、どこにいたんだよ本当に。」


俺なりに心配していたんだぞ、と声をかけても返事は無い。

ゲームセンターで会ったあの日から俺はだいぶゲームだって上手くなった。

もう一度対戦したかったのにそれが叶う前に勝手に消えやがってと気持ちを込めて頬に手を触れる。

前より健康的に見える顔色と、お酒による頬の紅みに今ここにセギさんがいるんだという安心感。

抓ってやろうと思ってた手は、その顔を愛しげに撫でていた。


「ウォヌヒョン、ここに居たの。」

「夜風に当たるにはぴったりだろ?ミョンホ。」


慌てて手を引き、さあ運ぶぞとミョンホに伝えて二人でセギさんを抱える。

何か言いたげなミョンホは気付かないフリをした。

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(プロフ) - 最高でした… (2月29日 6時) (レス) @page50 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - jsmn579733371さん» ありがとうございます〜!顔が好みすぎてお亮さん拝借しました笑 (2020年4月12日 0時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
jsmn579733371(プロフ) - 主演俳優枠が吉沢亮なのがツボすぎて! (2020年2月20日 2時) (レス) id: bc3a6c1f44 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - かとれあさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りでございます泣 これからも頑張りますね! (2020年2月18日 21時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
かとれあ(プロフ) - やさぐれ姉さん大好きです(*´˘`*) (2020年1月27日 5時) (レス) id: 3fa9c6cc95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui  
作成日時:2019年9月22日 8時

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