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JSside
久しぶりに見たセギさんの姿。
それはどこまでも輝いていて、どこか儚くて綺麗な姿だった。
こんな表現は正直クサイかも知れないけれど、ドレスに身を包んだ彼女は妖精のような女神のような神秘さがあったんだ。
まるで僕らとは別の次元にいるかのような。
今後僕らとセギさんが巡り会うことは無いだろうと示唆されているような気がしなくも無くて。
セギさんの隣に視線を寄越すと甘く笑う主演俳優さんが立っている。
それもセギさんとかなり親しげに話しながら。
「……近い。」
「仕方ないですよ、こんなにギュウギュウなんですから。」
思わず小さな声で口から零れた、俳優さんとセギさんの距離の近さに対する文句。
バッチリとジフナに聞こえていたらしいが勘違いしてくれたようで、予想外の返事に少し面食らった。
「そうだね、仕方ないのに不満を零した僕が間違ってたよ。」
「……?」
あれ、違うことを言った?みたいな顔をするジフナをクスクスと笑いながら視線を再び舞台に戻す。
しかしそこに居たのは先程までの遠い存在のようなセギさんでは無くて、どこかドギマギとしている
僕らが知っているセギさんの片鱗が現れているような彼女の姿だった。
「どうしたんだろう?」
「なんか、本当についさっきからあんな感じです。」
疑問に対してチャニが教えてくれるから、そうなんだと返事をする。
あんなにセギさんが感情を表に出すのも珍しい。
何があったのか見当もつかないまま舞台挨拶は終わり、撤収に取り掛かった時だった。
セギさんの懐かしい声が聞こえて、ミンギュが彼女を抱き締めたと思ったらジョンハナがセギの肩を掴んで居たのは。
目紛しく変わる光景に少し驚きつつも、ハニの傍に立つ。
「今まで何してたんだよ。」
「いっ、いやぁ…普通に芸能活動に勤しんで…」
「そういう事じゃなくて。」
セギさんの言葉をハニが遮る。
その隙に僕も言いたかったことを言わせてもらった。
「芸能活動に勤しんでいたからと言って、僕らとの連絡全てを断ち切る必要あった?」
「俺らがどれだけお前の心配をしたと思ってるんだよ。」
「誰も頼んでねぇ…。」
「「何か言った?」」
「イエ…。」
まぁ、と一呼吸置いてゆっくりとセギさんの顔を見遣ればそこにあったのは
前までの不健康そうな顔ではなく健康そうで肌の調子も良さげな顔。
「何か、事情があったんでしょ?」
でなきゃ、セギさんは無意味に連絡を断つような人じゃない。
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ぴ(プロフ) - 最高でした… (2月29日 6時) (レス) @page50 id: 9dcff58a0e (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - jsmn579733371さん» ありがとうございます〜!顔が好みすぎてお亮さん拝借しました笑 (2020年4月12日 0時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
jsmn579733371(プロフ) - 主演俳優枠が吉沢亮なのがツボすぎて! (2020年2月20日 2時) (レス) id: bc3a6c1f44 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - かとれあさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りでございます泣 これからも頑張りますね! (2020年2月18日 21時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
かとれあ(プロフ) - やさぐれ姉さん大好きです(*´˘`*) (2020年1月27日 5時) (レス) id: 3fa9c6cc95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2019年9月22日 8時