【赤葦京治】拝啓、親愛なるあなた様へ【ハイキュー！！】 (ページ6)

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拝啓、親愛なるあなた様へページ6

拝啓、親愛なるあなた様へ

も . そろそ . 私 . あな . に

う . れしか . なの . . 愛し . まし

ずっと . . ずっ . これか . . も

. け . . い . . じさ . ん

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「何だこれ。」

婆ちゃんが亡くなって１週間。

身辺整理ということで入院先だった病院の後片付けみたいなものに駆り出された俺は

病室の引き出しに殴り書きのようなメモ帳のような紙を見つける。

「なんて書いてあんだこれ…？んー、けい…じ……さん…？」

けいじさん

誰か分からないその名前

確か婆ちゃんがそう言って息を引き取った言葉

極度の婆ちゃんっ子だった俺は、小さい頃から婆ちゃんに言われ続けていた。

「けいじさん」に似ているって

誰か分からなかった

けいじさんなんて言われても俺は違うし、爺ちゃんもその名前を聞くと悲しそうに笑うだけだった

「とりあえず、婆ちゃんの墓に持ってってみるか。」

そうと決まれば整理を早急に終わらせ、車に乗り病院から墓地まで一直線。

すると墓前に見知らぬ誰かが立っていた。

「あの、どちら様ですか？」

恐る恐る声をかけてみると驚いた顔をしてこちらを見てくる女性。

「ここって藤山さんの墓前であってますか？」

「はい合ってます…まぁ、俺からしたら婆ちゃんの墓なんですけど。」

「お孫さんでしたか。藤山 Aさんの？」

「そっすけど、何か用すか？」

あまりにも婆ちゃんを知っている事に不信感を募らせる

だって、婆ちゃんの知り合いなら葬式に来てるはずなのに、この人は見かけなかったから

「実はこれをお返ししたくて。」

取り出したのは夥しい数の手紙

全て婆ちゃんの字だった。

女性が言うには、手紙に綴られていたのは婆ちゃんの、切なくそして一途な想いだったらしい。

「これ、お供えしようと思って。
藤山さんのお手紙は毎日欠かさず、うちに届いてたんですよ。

あ、これはうちにずっと眠ってた手紙なんですけど歴史的価値があるわけでもないし、どうしようかと思ってた時に新聞で藤山さんの訃報をお聞きして…

まさか、うちの手紙を送っている藤山さんだったら…と思うと居てもたってもいられず。」

それで来てしまったと説明する女性。

許可を頂いた後、その手紙を読んだ。