「43話だよ。惚れんなよ。」 ページ44
試合開始して暫く、火神がフラストレーションMAXで帰ってきた。
額には青筋を浮かべている。
理由は簡単で、火神のマークマンがやたらとしつこいDFをして来るからである。
「火神〜怒んなって、な？はいっ、これドリンクとタオルｯ♡」
「………おう…ありがとな……。」
「お前が俺の顔を見て、一体何にげっそりしたのかは聞かないどいてやろうか。」
仮に原因が俺だとしても、美少女からドリンクを貰えてげっそりすんならお前の目を疑うぜ？
「にしても火神を止める…ねぇ…。」
「彼、中学校時代に開花前とは言え黄瀬君を止めてますからね。」
「あの坊主が？」
隣のベンチを盗み見すると坊主も丁度こちらを見ていたようで目が合う。
ニコッ、と擬音がつきそうに微笑んだら顔を赤くした。
こんな初々しい反応をされるのが久々すぎて感動を覚えたぞ、俺。
「あいつ、絶対童○だぜ。」
「言葉遣いがお下品ですよ。貴方今仮にも女性の格好しているじゃないですか。」
おっといけねぇ、今は可愛い可愛いAちゃんだった。
「火神君は4ファウルだし…んー、東海林君、出れる？」
「えっ？やだぁリコ先輩、Aちゃん女の子だよ？」
顎に手を添え、こてんと首を傾げると素晴らしい笑顔で親指を下に向けられた。
「いいから、いけ♡」
「リコ先輩声と表情合ってな」
「あ゛？」
「何でもないでーす！！！」
カツラを取ると感じる視線は正邦と客席から。
そんなのも無視し仕方ねぇなとぶつくさ言いつつ、準備を終えそうな頃合にやってきたのは日向先輩。
「悪ぃな東海林、やっぱ出なくても良いからよ。」
「はぁ！？俺の着替えの意味は！？」
「本当に悪ぃって！」
謝る日向先輩を不貞腐れた顔で見つつも、やっぱケジメつけたいよなぁなんてらしくもない事を考える。
それに、決勝戦で戦うにはやっぱ黒子と火神の二人が必要不可欠だからな。
「…分かりました。
ただ、先輩方も決勝戦では欠かせない戦力なの自覚しろよ！ちょっとでも不調を見せたら俺と交代だからな！」
「…。」
「いや、なんすかその阿呆面。」
「あー…まさか、お前からそんなセリフ聞く日が来るとは思わなくてな。」
「あぁ！？喧嘩売ってんのかコラ！？！？」
喧嘩腰で吠えるとすまんって、と笑う日向先輩。
コートに戻っていくその背中は大きくて。
「先輩の意地って奴、背負ってるその背中がくそカッケーんだよ、ばーか。」
大きいその背中が、心做しか兄貴と重なった。
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恋＠眼鏡(プロフ) - 傾国萌えのセネンさん» 申し訳ございません、設定にて読みの方加筆修正させていただきました。ご確認いただけると幸いです。 (2017年7月25日 20時) (
レス) id: 4259eb5510 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - すみません、東海林の読み方がわからないので設定に読み方を乗せて頂けますか? (2017年7月25日 19時) (レス) id: 8368aa4f80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - 面白かったです！これからも頑張ってください！ (2017年7月23日 1時) (レス) id: 83c09b69aa (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - おもしろかったです！！更新楽しみにしてます(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2015年11月9日 23時) (レス) id: 5caf3af081 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 面白いッス(´∇｀)花宮出して欲しいですw此れからも更新頑張って下さい(^^)fightッスd(^-^) (2015年7月14日 17時) (レス) id: 88c8934aed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋＠眼鏡 | 作者ホームページ：http://sukinaharahasakuradeui
作成日時：2015年3月8日 17時
