「25話だよ。惚れんなよ。」 ページ26
それから数週間だった。
その麻呂眉とストバスから帰ってきた兄貴はいつに無く暗かった。
今までこんなに暗い事はなかったってぐらい暗かったんだ。
そんな異常な事態に俺も母さんも父さんも気付かないはずがない。
「兄貴？どうしたんだよ、何か暗いぞ？」
母さん、父さんからのアイコンタクトで俺が事情を聞く。
年が近く性別も一緒の方がいいと判断したんだろう。
「…んっ？そう？ちょっと疲れてんのかも…ごめんな。」
それは兄貴からの明らかな拒否のサインだった。
今まで拒否された事なんてなかったから、俺ら家族はもちろん、俺自身が一番驚いていた。
親にも話せないことを俺と兄貴は言い合うくらい信頼していたし、仲が良かったからな。
その日の夜
兄貴の部屋と隣の俺は、隣から聞こえてくる破壊音や物を壊す音で目覚めた。
兄貴の部屋にはボールとかダンベルとか、分厚い本なんかがあった気がする。
それらを投げている音なのか、と思うと普段温厚な兄貴からそんな姿を想像することなんて出来ない。
だからこそ、恐ろしかった。
この時すぐに兄貴の様子を見に行けば、と何度後悔したことかわからねぇ。
あの時、俺は兄貴の今まで見た事のない、異常な様子から出る破壊音に、ただただ恐怖するしか無かったから。
一人布団の中で丸まって。
(兄貴こんな夜中に何してんの？)
すると隣からの音が止んだ。
また始まるのでは、と思って俺は暫く動けずにいた。
あの時、すぐに兄貴の部屋に行けば良かったのに。
それからというもの、音が聞こえる事は無かった。
(何で、物音一つしなくなったんだ？)
それが逆に心配になってきた俺はやっとの思いで兄貴の部屋へ向かった。
しかし扉は中々開かない。
物が突っかかってて、満足に扉を開けられない。
無理矢理こじ開け、小さな隙間に体を滑り込ませ兄貴の部屋へ入り込んだ。
「っとと…。兄貴…どうしたんだ…よ…」
時既に遅し。
「…兄貴？兄貴！？え？何してんだよ？なあ、
あに、？にいちゃ、あにき？にい、あ、うあああああああああっ！！！」
兄貴は首を吊って死んでた。
中学の制服のネクタイを縄代わりにして。
それ以来俺は暫くネクタイやネックレスはもちろん、シャツを第一ボタンまで絞めることすら出来なかった。
首にまとわりつくものは、どうしても兄貴の最期がチラついたから。
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恋＠眼鏡(プロフ) - 傾国萌えのセネンさん» 申し訳ございません、設定にて読みの方加筆修正させていただきました。ご確認いただけると幸いです。 (2017年7月25日 20時) (
レス) id: 4259eb5510 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - すみません、東海林の読み方がわからないので設定に読み方を乗せて頂けますか? (2017年7月25日 19時) (レス) id: 8368aa4f80 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - 面白かったです！これからも頑張ってください！ (2017年7月23日 1時) (レス) id: 83c09b69aa (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - おもしろかったです！！更新楽しみにしてます(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2015年11月9日 23時) (レス) id: 5caf3af081 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 面白いッス(´∇｀)花宮出して欲しいですw此れからも更新頑張って下さい(^^)fightッスd(^-^) (2015年7月14日 17時) (レス) id: 88c8934aed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋＠眼鏡 | 作者ホームページ：http://sukinaharahasakuradeui
作成日時：2015年3月8日 17時
