「58話だよ。惚れんなよ。」 ページ10
「どれどれ…へっ?」
リコ先輩が目を点に、そんな表現が正しいと言える表情をする。
日向先輩、伊月先輩とそれは波紋のように広がっていった。
「ちょ、ちょちょ!ほかの解答用紙も見せて!?」
慌ててバサバサと全ての解答用紙を見つめる先輩方。
「…これ、本当に自力?」
「カンニングの方法考える方がよっぽどダルいし、いい成績取るにはこうするしかないじゃん?」
そこに連なるのは平均99.4点の解答用紙達。
自分で言うのもなんだが俺はやると決めたらやる結構な努力家タイプだぜ?
格好が自由なだけで、それを許してもらう程度の努力はしてるつもりだ。
「順位は…まさか…」
「そんなの、もちろん一位です♡」
中学から順位は上位3番以内しか取ったことは無い。
全国模試も上位10番以内の常連なんだよ俺、一応。
優秀だろ?
「色んな学校から学力推薦来なかったの?あんた。」
「あー、来てたけど結局家から一番近かったの
だから、イギリスへの語学留学も認められたわけだしと心の中で付け足す。
リコ先輩がよし、と立ち上がる。
「火神君の成績up合宿、あなたも参加よ!」
「えっ、俺も?」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
そのままリコ先輩の家に全員集合しプランを組んだ。
組んだのはリコ先輩と俺。
この最強コンビが考えたプランで成績が上がらない訳が無い。
「さぁ火神。寝る間も惜しんでくぞ♡」
「惜しむっつーか何処にもねぇ!!?」
徹夜漬けは効率が悪い…ってゆか…!と言いかけた火神を足で押し倒し、そのまま胸板に足を乗せ顔を近付ける。
ドンッと鈍い音が重く響いた。
「いって!」
「効率が何だと、ほざける立場だと思ってんのか?このタコ。」
「あー…東海林…?」
「絵面が未成年には見せられない感じなんだけど!?」
「テメェは、黙って俺に従ってればいいんだよ。」
「それっぽいセリフを言うな!」
俺とリコ先輩が考案し、作ったプランなんだ。
間違いなんてまず無い。
「火神、この俺が直々に面倒見てやるんだからお前でも理解は出来るはず。本当に成績を上げたいんなら後はお前のやる気次第だ。」
分かったな?とニヤリと笑いながら足を上から退ける。
お、おう。と小さく返事をした火神に満足した俺は早速やるか!と勉強道具を取り出す。
リコ先輩に頼まれて、参考書や辞典など普段俺が使っているものを持ってきた。
こうして火神学力アップスペシャルチームは結成されたのだ。
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恋@眼鏡(プロフ) - 可也さん» ありがとうございます!!拙い作品ではございますが頑張っていこうと思います! (2019年5月28日 20時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
可也 - とても面白かったです!!!続き楽しみにしてます!!! (2019年5月27日 19時) (レス) id: 430d859c05 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます。灰崎くんの小説も機会があれば挑戦してみたいと思います! (2019年4月28日 17時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の小説も書いて欲しいです (2019年4月13日 15時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2018年11月21日 8時