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「54話だよ。惚れんなよ。」 ページ6

ガタっ、と立ち上がる俺とコートを眺めるベンチの皆。

さすが緑間真太郎。キセキの世代副主将、3Pシューター。


「ここでフェイクとかどんな神経してやがる…!」


正に百戦錬磨に相応しい。

キセキの世代の名は伊達じゃねぇ。

会場中の誰もが緑間の一挙一動に気を取られていたから、俺らは気が付けなかった。

まさに今、この状況こそが、彼の本領を発揮出来る最高の状況(・・・・・・・・・・・・・・・・)であるというのに。


「僕も信じていました。火神くんなら跳べるということを。そしてそれを信じた緑間くんがもう一度ボールを下げるということを…!」


トスッ……テンテンテン…。

ビィィィーッッッ!!!!

黒子くんが緑間のボールをスティールをして試合は終わった。


「ッ、いよっしゃあああアアアアッ!!!」


思い切りガッツポーズを決める。

あの王者に、勝ったのだ。

それもキセキの世代、緑間真太郎に。

俺は慌てて火神の元へ駆け寄る。

当の本人である火神はプルプルと、生まれたての子鹿のようになっていた。


「…かっこよかったぜ、火神。」

「おう。ありがとな。」

「まぁ俺には劣るけどな!

…って言いたい所だが、残念ながらこの俺でも超えられねぇくらいに今日のお前はマジでかっこよかったぜ。」

「お前から素直に褒められると、なんか照れるな。」


そして火神が立ち上がるのをサポートする。

誰だ?身長差考えろって言ったやつ、出てこい。

俺が優しいんだぞ!身長差とか関係ねぇだろ!


「俺だって素直に褒める時くらいあるっての、ばーか。」

「その割には東海林君の耳、赤いですけどね。」

「るせぇな!黒子は黙ってろよ!」

「すみません。」

「ーっ、あーもー!そんな素直に謝られたら言いにくくなるだろ!?」

「?何がですか?」


ガシガシと頭を搔いた後にしっかりと黒子の顔を見る。

相変わらずわっかりにくいけど、疑問符を浮かべたような顔をして。


「最後のスティールの瞬間、俺はお前をちゃんと見てたよ。
あの瞬間(とき)は火神すらも凌駕するくらいに、かっこよかった。
この勝利はお前が導いたんだぜ。もっと誇れ。」

「…!」

「MVPや優秀選手賞には選ばれなかったかもしれねぇけど、安心しろ。俺から東海林賞をやるよ!」


照れ隠しをするように、拳を黒子の額にコツンとぶつけ、控え室に歩き出す。

苦手なんだよ素直な感情表現は、と零す。

本当に今日の皆は、素直に格好良かった。


「………。」

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恋@眼鏡(プロフ) - 可也さん» ありがとうございます!!拙い作品ではございますが頑張っていこうと思います! (2019年5月28日 20時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
可也 - とても面白かったです!!!続き楽しみにしてます!!! (2019年5月27日 19時) (レス) id: 430d859c05 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます。灰崎くんの小説も機会があれば挑戦してみたいと思います! (2019年4月28日 17時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の小説も書いて欲しいです (2019年4月13日 15時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui  
作成日時:2018年11月21日 8時

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