「59話だよ。惚れんなよ。」 ページ11
「…っだぁ、わかんねェ。」
「分からねぇで放り出すな火神。」
勉強開始から一時間。
分からねぇと投げ出そうとする火神をコラ、と小突く俺。
今取り組んでいるのは数学Ｉの指数法則の計算。
「何の為に俺らがいると思ってるんだ。分からないなら聞いてくれていいんだぞ？」
伊月先輩が優しく笑う。
俺も肩をぽん、と叩きながら火神に笑いかける。
「ここで数学が分からねぇって事より分からないことを放棄するっていう行動の方が問題有りだからな！」
ヴッ、と呻く声が聞こえるが無視しどこがわからないのか聞く。
「ここ…だよ、なんで指数の掛け算は+なのに、指数の累乗は×なんだ？」
「なるほどな。んー…よし、今は a² × a³ で考えるぞ。」
「おう。」
「指数は��底を何回かけた��のかを示してんのな。この式だと(a×a)×(a×a×a)って事になる。ここまでは分かるか？」
「ああ、大丈夫だ。」
「じゃあ続けるぞ。ここで思い出すのは指数は何を示しているかだ。何だった？」
「あー…底を何回かけたか だったか？」
「正解！この式は底であるaが5回かかってるから、指数に直すとa^5になる。故に答えはa²×a³=(a×a)×(a×a×a)=a^2+3=a^5 となり、aを2回かけた分×aを3回かけた分はaを5回かけた分と変わらないということを示せる訳だ。
だから、底が同じ指数同士のかけ算は指数を足すんだよ。」
「へぇー。」
「累乗も似たような考えだな。
例えば(a²)³は、分解すると(a²)×(a²)×(a²)になる。
a²が3回かけられているから��底の指数��が��何回かけられた��かって言うことをa^2×3と表す事が出来る。
指数の四則演算は計算してもいいからな。
よって(a²)³=a^2×3=a^6となる。
わからない所はちゃんと明確にするなんて偉いぞ火神〜、教える方も教えやすいぞ。
明確にできてる分お前はこの問題を解くのに必要な基礎能力は固まってる証拠だぜ？」
公式、覚えとけよ。と火神に笑いかけながらサラサラと紙に解説を書き起こしながら言う俺。
「お前さ、教え方は思ってたより優しいんだな。」
何を言っているんだ？と一瞬キョトンとした後、思わず苦笑が零れる。
「…怒鳴り散らしても意味無いだろ？
なら、出来てるところは出来てると自覚させて次のステップに進ませてやる方が大事だと俺は思うからな。」
出来ない奴に何で出来ねぇとか、何で分からねぇと問い詰める方がバカバカしい。
原因はなんであれ出来ないのなら仕方ない、出来るようにしてやるのが出来る奴の努めだろ？
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恋＠眼鏡(プロフ) - 可也さん» ありがとうございます！！拙い作品ではございますが頑張っていこうと思います！ (2019年5月28日 20時) (
レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
可也 - とても面白かったです！！！続き楽しみにしてます！！！ (2019年5月27日 19時) (レス) id: 430d859c05 (このIDを非表示/違反報告)
恋＠眼鏡(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます。灰崎くんの小説も機会があれば挑戦してみたいと思います！ (2019年4月28日 17時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の小説も書いて欲しいです (2019年4月13日 15時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋＠眼鏡 | 作者ホームページ：http://sukinaharahasakuradeui
作成日時：2018年11月21日 8時
