実験結果No.54 ページ4
待って待って待って待って、言われた通り来たけど。なんでこんな大掛かりなことになってるんだ！
言われるがままに私が出てきたライムグリーンの円にまた身体を元に戻していく。
そこまではいいんだ、よくメンテナンスでも入るから。
だがな、明らかにメンテナンスの時と違うところが約一つ。
コードが刺されていることだ。
怖い、とっても怖い、やだこれ死ぬんじゃないのか、死ねないけど一応それなりにその場の雰囲気に合わせていうならば死にたくないよぉ、うええーん、とでも言うべきであろうこの状況に軽く恐怖を感じる。
なんて場違いなことを考えていたら私の意識は途端にプツリと途切れた。
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「さぁ！開けてみてください！」
『...ああ、分かった』
早く開けたい、そうでもしないと体に穴が開きそうだ。両サイドから見られてんだよ。すごい鋭い目付きで。
「...んん〜、ここどこぉ〜...おにぃちゃ、だっこぉ〜」
驚いた、前の無感情から打って変わって年相応の感情を兼ね備えた、低身長のAが出てきたんだ。
...横からシャッター音がなるのは気にするなよ、俺。
「おにぃちゃ〜、こっち向いて〜？」
『あ、ああ？なんだ？』
「ん...、おにぃちゃにちゅーしたの」
ああ、普段ならその一重の憂いを帯びた目に心が揺らぐところだが今は少しおぞましく思える。
分かるだろ、アダムとマリアだ。
「おにぃちゃもして？」
やめてくれ、キスもそれ以上のことも部屋でしてやるからここでそんな事言うな。俺が殺される。
「ほらぁ、早くぅ」
...お前したらしばく、とでも言いたいのだろう、もう視線だけであいつらの思考が手に取ったようにわかる。
『...ん』
「えへぇ〜、おにぃちゃのちゅー、ふわふわしててあたし好き〜」
やめろ、そんな可愛らしい目で可愛らしいこと言うな、襲うぞ。
...やめてくれ、見ないでくれ。いやそもそもこいつらもなんか見てるだけじゃなくて喋れよ。
無言の圧力かよ。
『お、おい、A。部屋に戻らねぇか』
「うん！いいよ！おにぃちゃの部屋行く〜！」
やだサイドから睨まれてる、怖い。
...どうする
『お、おら、行くぞ』
「うん！じゃあね！ばいばーい！」
...早く部屋に逃げ込みたい。
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作者名：ゴースター | 作成日時：2018年1月31日 1時
