実験結果No.68 ページ18
夢を見た。
翠と紫に挟まれて心地よさそうに寝ている私を眺めていたんだ。きっと翠が忠臣で紫がグスタフなんだろうな。
けどひとつ引っかかるんだ。二人とも指先が不規則な動きをしているんだ。
そう、あいつらはきっと私の腕の薄皮のところを引きちぎるつもりだ。
そう認識すれば早い。やることはひとつ。
『わ、わわたしの腕はや、らんぞ！...お？』
「！...」
あ、あれ？この反応...もしかして...引きちぎるつもり、ないのか？
『そ、そうだ。夢と現実を見誤ったんだ』
「はあ...」
なにこれすっごい恥ずかしい。
『わ、私お風呂入ってくる...、後でちゃんと入りに来い...怖いし...寂しいし...』
「ああ...」
...早く来てくれよ...、私一人になると結構怖がりになるんだ。しかも夜だぞ？はぁ、怖。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ぐ...聞いたか、今の...」
『ああ、聞いたさ...可愛らしいこと言うねぇ、ホント』
え？ああグスタフだ。なんだ、毎度毎度どんどん挨拶が雑になってる.....？
知るか、挨拶よりもAだろ。
『しかも左目閉じてよぉ...、言葉だけじゃなく表情からも俺らを欲してることが良くわかるな』
そう、あいつは恥ずかしくなったり心地よかったりすると擽ったそうに左目を閉じる。
心地よかったら口元が瓜を描いて、恥ずかしかったら軽く下唇を噛む。
何故そこまで把握してるのかか。そんなもの当たり前だろ。覚えてねぇやつの気が知れんな。
「...では期待に沿おうか。我たちも風呂へ突入するぞ」
『なんだそのあいつの風呂に予告無しに奇襲をかけるような言い方は』
「む...」
まぁいいけどなぁ、不意ついてタオルがはだけた状態のAを見れるかもしれねぇだろ。
...昨日見たがな。
.
『入んぞ』
「あ...やっときた...怖かったんだぞぉ...むぅ.....」
『(おい、見たか)』
「(ああ、見たとも)」
『(あのほっぺたなんだよ。プクーって)』
「(はぁ...ただ頬を膨らますだけでもなぜあいつはあんなにも愛くるしいのだ)」
『(あいつだからだろ)』
「忠臣の膝ゲットォ！」
ふふん、と自慢げに笑うこいつを天使と呼ばせてくれ。
え、ダメ？何故だ。理由をこの紙にびっしり書いて提出しろ。場合によりゃ殺んぞ。
殺られたくなけりゃこいつの可愛いところ百個書いてこい。
なら許してやるよ。
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作者名：ゴースター | 作成日時：2018年1月31日 1時
