マヨ昆布が２つ ページ3
｢ ねぇ、部活……何に入る？？｣
『うーん……どうしよっか……』
入学して1週間、部活動紹介の掲示板の前で私は友達のアズサとどの部活に入るか悩んでいた。
この学園は絶対に何かしらの部活に入らなければいけない規則がある。
スポーツは大の苦手だから運動系はありえない…けど、私は絵も下手だし楽器なんて小学校でリコーダー吹いたくらいしかない……。
こんなところで私の無能さに改めて気付かされるなんて。
｢私は…バトミントンかバスケにしようと思ってるけど、Aは？？｣
『えぇ！？裏切り者…私が運動できないの知ってるくせに……』
隅々まで掲示板を見る。
でも私が辛うじて出来そうな部活は…おふざけで貼られたであろう帰宅部くらいしか無かった。
｢もー、これから始めればいいじゃん！！才能開花するかもよ！んじゃトイレ行ってるからせいぜい悩みな〜｣
……行ってしまった。
もう一度掲示板を見てみる
｢初心者でも簡単に出来る！｣
｢優しい先輩たちが君を待っています！｣
｢優しく指導します！1度見に来てみませんか？？｣
カラフルに彩られた掲示板だけど、私はその言葉のほとんどが嘘だということを中学で身をもって知っている。
サッカー部、バスケ部、軽音楽部、放送部、美術部……と、順番に見ていくと本当に隅の隅にある小さい折り紙くらいの白い紙を見つけた。
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探偵部
落し物、浮気調査、人探し。
何でも承ります。
新部員も大歓迎です。
(場所)旧校舎 3階 1番奥の教室
*必ずマヨ昆布を持ってきてください
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『人……探し。』
探偵部、体育館での軽い部活動紹介では紹介されてなかったけど本当にそんなに部活あるのかな？
でも、人探し。
偶然にも今、私には探して欲しい人が居る。
誰かのイタズラかもしれないけれど、何故か私はこの”探偵部”にものすごく興味を引かれてしまった。
……マヨ昆布が気になるけど。
｢ごめんごめーん、途中で友達と話してたら遅くなっちゃった。どう？決まりそう？｣
『……うん、今日部活体験に行きたいんだけど。ついてきてくれない？？』
部長食べ物占い
刺身
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作者名：うゆ | 作成日時：2020年11月14日 22時
