【 歌い手 】 ス ラ ン プ と 申 し ま す 【 男主 】

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『…』

「Aやぁぁぁ…おかえり…」

『…ただいま…』

「プリンあれから追加で5個買ったで！10個冷蔵庫に入ってんで！」

『ほんま？』

「ほんまに！1日2個食ってええよ！」

『…兄ちゃんも一緒に食べへん？』

「ええの！？」

家に帰れば、兄ちゃんが犬のように俺に飛びついてきた
俺も何故かそれが嬉しくて
帰ってる時に冷静になって色々考えてたけど、くだらない事で毎回喧嘩してるなぁ…って

「…年に2回くらいしか喧嘩せえへんけど…その2回ともほんまにくだらんなぁ…」

『…せやなぁ…今回は俺が悪かった』

「確認もしないで食べた俺も悪いけどなぁ」

なんて会話をしながら2人でプリンを食べている
やっぱ兄ちゃんは兄ちゃんやなぁ、って思ってる
なんか…弟の俺より少し大人というか

────────


────

『絵が描けへん』

「いつもの事やん」

『…せやな』

プリンを食べ終わり、俺は液タブの前でダラダラしていた
隣には兄ちゃん

『…また動画のイラストも描けへんかもしれんわ』

「そんな沢山頼まへんよ、Aの出来る時にゆっくりでええんやから」

『…ほんま考えてくれてるんやなぁ、…センラさんの方が兄ちゃんの事分かってるやん』

そう言うと、兄ちゃんは俺の後ろに立ち、頬を両手で挟んできた
なんやねん、そう思って手を離そうと触れる

「センラ達の方が詳しいかもしれへんけど！兄弟にしか分からんこともあんねんでー？」

なんて。
…まぁ、それは確かに

その兄弟にしか分からんことがなんなのか知らんけど

『…じゃあその兄弟にしか分からんこと教えてや』

「んー…、Aはストレスが溜まるとすぐに熱を出すとか」

『兄ちゃんの事で』

「…いや…それは…分からへん…」

『せやろ』

俺の勝ちや
なにが勝ちやねん、なんか負けてるやろ。何かに

まず兄ちゃんがほんとに怒ったら静かになるってことに意外って思ったし…まず知らんかったわ

『…兄ちゃん』

「ん？」

『…俺兄ちゃんに養ってもらってるやんか』

「俺がそうしたいからな！」

『…そうなんや…
でもあれやん、流石にこの歳やで。仕事しんと…』

「Aは俺が養う」

『なんなんその意地』

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