【 歌い手 】 ス ラ ン プ と 申 し ま す 【 男主 】

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「座って座って！」

『なんやねん、リビングで話って…』

「はいこれ」

『……ん？』

「ライブのチケット！」

『え…』

目の前に出された一枚の紙
見てみれば今度のライブのチケット。
手に取りまじまじと眺める

…ほんまのチケットや…

『これ…なんで、』

「最近大変そうやし、つらそうやったから…これで楽になれればなぁ！って思ってな！
うらさんに頼んで特別に…！」

『…あああうらさんほんま神やろ神やんうせやんありがとうございます！！！！！兄ちゃんもほんまにありがとうやっぱ大好きやぁ！！！』

「俺も大好きやでA！！！！ライブいい席は取れへんかったけど…！！！！これで発散してほしいねん…！」

『うわああああ兄ちゃんありがとうございます！！！！
俺もう物販も並ぶから！！！！初めてのライブ物販で兄ちゃんのグッズたくさん買うから！！！』

テーブルを挟んで2人で叫びながら会話を交わす
大きな声を出したのは数日ぶり

前回は足の小指をぶつけた、だったか。

今回はほんまに嬉しい会話で叫んで会話が出来た、これはもうええやつや

ライブに行きたかったけど、行けへんかった。
絵も終わらへんし、初めてのライブ、不安な事だらけやし、まず抽選で落ちるし。

でも今回はちゃんと行ける
お金貯めててよかった

サイン入り当たったらええな
家に帰って書いてもらったらええんやろうけど…そうやないねん。
確率の少ないサイン入りを当てることがええねん

「よっしゃ！！服装、ちゃんと決めなあかんで！」

『当たり前やろ！！兄ちゃんには俺やってわかる服装で行くで！！』

「そうしてやぁ…！！
黒縁メガネは必須やで！」

『これは常に掛けてるやろ』

「せやったな」

なんて笑いながら話してれば、兄ちゃんの携帯が鳴った
着信。

「うらさんからや」と小さく呟いたあと、「ちょっと話してくるわ〜」そう言って、自室に戻っていった

…このチケット大事にしよう
もう一般も始まって、抽選されてるはずや
…来年は自力で…やな

この恩はいつか返さなあかんな

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