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「最近機嫌いいっすよね」
『そんなよく見える？』
「めっちゃ見える」
チーノと残業中、唐突に話し出した。
カタカタとキーボードを打つ音だけが響くオフィスの中で。
「なんかあったんすか？」
と、何故か少し嬉しそうに聞いてきた。
こいつは俺の事をよく見てる。
オスマンさんでもひとらんさんでも気づいてなかったのに。
『こないだの休み、鬱と出かけてん。それと中学生の弟からお守り貰ってさ』
「お、どんどん家族との仲がようなってるやん」
と、キーボードを打つ手を止め、俺を見て笑う
『せやな、いい方向に進んでる気ぃする』
俺も一旦手を止め、立ち上がった。
眠気覚ましにコーヒーでも。
「あ、俺も飲みたい」
『ええよ。適当に買うてくるで』
チーノに背を向け自販機へと向かう
真っ暗な廊下、そこにポツンと光る自動販売機
結構不気味。もう慣れたんやけど、最初の方は怖かったなぁ
適当にブラック2本買い、ちょっと喫煙所に。
火をつけて深く吸い込んだ
『…うっま…』
今日1日タバコ吸ってなかったからか手が震えてしまう
1本を直ぐに吸い終わり、オフィスに戻らず2本目。
真っ暗な喫煙所で後輩を待たせてゆっくりと喫煙。
いやぁ、楽しい
そんなことを思っていたら扉が開いた
「何呑気に吸ってんねん」
『あ、ごめん。我慢出来ひんくて』
そう言うとチーノは大きな溜息をつき、俺の目の前に。
コーヒーを渡すと缶を開け、1口飲み煙草を取りだした。
こいつもか
「家では吸わへんの？」
『ゾムが煙草嫌いやねん。まぁ、皆の前で吸うことは無いねんけどな、臭いとか残るやん』
「あー、…やっぱ兄弟思いやなぁ、先輩は」
『せやろ？俺優しいねん』
「はいはい」
せっかく答えてあげたのに適当にあしらうチーノ
お前からふってきたくせになんやねん、とか何とか思いながらも言葉には出さへん
「なんで一人暮らしとかせえへんの？」
『引越しで金飛ばすよりも一緒に住んで、家賃とか光熱費とか払って、家に金入れた方がいいかなぁって』
「…」
それ以降チーノが黙ってしまった。
ポケットに入れていたケータイで照らしてみると、しゃがんで目元を抑えている
『…なにしてんねん…』
「さすがにいい人すぎるやろって思って…」
目元を擦りながらそんな事を。
『親もおらへんし、成人した俺らがそういうのして行かなあかんやん』
「俺先輩みたいな男目指します」
『社畜にだけはなったらあかんで』
「現時点でもう社畜やねん」
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むむ - ひょぇっ、、、、 (2020年11月21日 6時) (
レス) id: 3c7753e0a3 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ - うあああああ…めっちゃ泣きました。私四つ上の姉がいるんですけど何故かめっちゃ嫌われてて、だからこれ見て号泣しました。私をこんな風になれたらええなああああ (2020年10月26日 7時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
りん - 私家族関係辛いのに弱くて…泣きました。 (2020年7月7日 7時) (レス) id: 4a20aa403e (このIDを非表示/違反報告)
みけくん - ああああ…完結おめでとうございますぅ…最後何度考えてもバトエンになってしまうのは何故だろう。 (2020年4月7日 9時) (レス) id: 7d25712d4e (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結、おめでとうございます！いつも、楽しみにしていました。笑わせてくれてありがとうございました。これからもずっと、応援させていただきます。頑張ってください。 (2020年4月3日 13時) (レス) id: 99b0958fb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：何某
| 作成日時：2020年2月16日 21時
