#38. 簓 side ページ38
「ほんでな!」
某日某所。
盧笙と歩きながら話をしとった
「なぁ、簓」
俺が話を続けようとした時、盧笙が小さい声で呟いた
俺が首を傾げてその言葉に返事をした
「…Aって、今どうしてるんやろ」
盧笙は俺にもAくんの話をしとった
せやから俺も内容は全部知っとる
手術成功した事も
…成功した日の夜、そのまま亡くなったことも。
全部知っとる
あれから2週間くらいは盧笙も学校を休んでたから尚更
「…どうしてるんやろなぁ、向こうでも元気にやってるんちゃう?」
「…そうやったらええなぁ」
俺と盧笙は両思いらしく、今はそのまま交際中。
まぁ普段と変わらへんねんけどな
…変わったことと言えば…
…なんて考えるけどあらへんな
街中をブラブラと歩きながら、服屋へと向かっていく。
ちょっと盧笙の服を買わなあかんから
「てかもう俺の家に同居した方がええんちゃう?セキュリティもバッチしやし」
「いや、ええわ」
「えぇなんで…」
オートロックもついてへんあの家危なすぎるやろ
________
_____
服も買い、寄り道をしてタピオカミルクティーを飲みながら帰っていた時。
また盧笙が呟いた
「…A、俺のこと許してくれるかな」
なんて。
「…なんでなん?」
「A、俺の事好きやって毎日言ってくれててん
…けど俺はあいつのこと裏切るみたいにお前と付き合っとるし…」
「…」
その返事には俺も言葉が出えへんかった
話を逸らしたくは無かったけど、なにか別の話題はあらへんか、そう思いながら周りを見回した
すると、何かとバッチし目が合うた
すぐにそこの位置に視線を戻すと、ふわふわと浮いてる半透明のAくん
『…』
俺がAくんを見つけると、相手は驚いたように目を開き、そのままニッと口角を上げて親指を立てた
「…ぁ…」
その行動に俺も驚いた
「盧笙!!」
「きっ…急になんや簓…やかましいわ…」
「Aくん、絶対許してくれてるで!ほんで盧笙の事も優しく見てくれてるわ」
俺がそう言うと盧笙は「ほんまに?」と確認
「ほんまほんま」なんて返すと嬉しそうに笑ってくれた
その笑顔大好きやで。
Aくんの浮いてた方を見ると、そこには誰もおらんくなってた。
「…ほんまにありがとう」
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かーねー しょん - 初めて占ツクで泣きました。もう本当に何かありがとうございます… (2021年5月2日 19時) (レス) id: 8ffd0aa4cc (このIDを非表示/違反報告)
かふかすかる(プロフ) - 夜中に声上げて泣きました (2020年12月29日 1時) (レス) id: 2497b8742f (このIDを非表示/違反報告)
おすし丸 - 号泣しました…蘆笙先生の可愛さもあって 夜に見たから涙腺崩壊の範囲超えました… (2019年12月13日 0時) (レス) id: ab18d95dd8 (このIDを非表示/違反報告)
もやし。(プロフ) - めっちゃ泣きながら読みました…ほんま最高の作品です、ありがとうございます!! (2019年11月15日 10時) (レス) id: bffdffa798 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬@YouTuber(プロフ) - 号泣しました… (2019年11月13日 23時) (レス) id: e0ebe76c41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:何某 | 作成日時:2019年11月3日 0時