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しばらくして、店長が部屋に入ってきた。
案の定停電だったらしい。ブレーカーが落ちたので、今いろんな部屋に回って謝罪しているらしい。
アナウンス使えないもんな。お疲れ様です。
忙しそうに部屋を出ていった店長を見届け(ほぼ見えてないけど)、ふと思った。
「…私どうすればいいんだろう」
「え、ここにいて」
「…そらるさんがそれでいいならいますけど…」
必要とされているみたいで嬉しい。うん。
そらるさんにメロメロな私はしばらくこの部屋に居座ることにした。
チョロいな私。面食い極めすぎだろほんと。
正直まだこのとんでもないイケメンと密室で二人きりなのは慣れない。ドギマギ。
ちら、と横目で彼を見ると、眠そうにぼーっとするそらるさん。
「…暇だね」
「…怖い話でもしますか？」
「…えー」
私の提案に、そらるさんはほんの少しだけ顔を顰めた。
え、まさかまさか？
このハイスペックイケメン、もしかして？？
自分でも顔がニヤついてるのが分かった。
「そらるさん、怖いの苦手なんですか〜？」
「…いや別に」
「ふふふ、強がらなくてもいいんですよ？」
「…ずっとAさんの笑った顔見たいなって思ってたけど、こんな茶化される形で見られるなんて嬉しくない」
拗ねたように言うそらるさん。
子供っぽくて可愛い。
にまにましながら見ていたら、そらるさんにそんな私の気持ちが伝わってしまったのだろう。彼はムキになったように私をジト目で見た。
「…上等。とびきり怖い話…してやるよ、A」
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作者名：- | 作成日時：2018年4月27日 22時
