密室、暗闇、二人きり。【そ.ら.る】 (ページ38)

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「天使じゃない……？」

「そらるさん今日やたら素直ですね……それAさん本人に言ってあげたら？」

「そんなのいい歳して恥ずかしいだろ」

「そこは恥ずかしがるのにさっきまでベッタベッタピーナッツバターみたいにくっ付いてたのはなんだったんですか？」

「まああれは……いいんだよ、はあ、可愛い……」

いや、聞こえてます。丸聞こえです。狸寝入りしてごめんなさい、さっきまで熟睡してたけど。

お二方が大好きらしいゲームに誘われて、慣れない手つきではしゃぎまくって疲れて気づいたら寝落ちしてたらしい私を挟むように座っていたそらるさんまふくん、

どうやら私の話をしていて起きづらい。

「なーんでそらるさんに彼女が出来てボクに出来ないんだろ～
ボクもそらるさんも似たり寄ったりなのに～」

「俺の方が料理できるからじゃね？」

「自信満々に言ってますけど料理もどっちもどっちですけど」

そらるさんもまふくんも何となくカップヌードル生活送ってそうなイメージだったから意外だなあ……。

というかそろそろ起きてもいいかなあ……。

「Aさんに手料理作ってもらおっかな」

「うわ、図々し」

「だってこの天使、俺の彼女だから」

「ドヤ顔やめてください」

『この天使』って言った時に私のほっぺを摘んだそらるさんの声色が、何となく誇らしげに聞こえて嬉しかった。

まふくんの足音が遠ざかっていく。飲み物かなにか取りに行ったのかな、そう薄目を開けようとすると、耳元で声。

「起きてるんでしょ、ちゅーしていい？」

思わず目を見開く。

「あ、ほんとに起きてた」

「………おはよう、ございます」

「おはよ」

クスクス笑って私の頭を撫でる。

その余裕、なんだかムカつく。