密室、暗闇、二人きり。【そ.ら.る】 (ページ34)

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「当たって砕けろ、か」

「なにに？」

お待たせしました、と私が運んできたポテトを呑気に食べるそらるさんに聞き返されてハッとする。

無意識に零れた独り言が随分でかかったようだ。

貴方のことですよ、と悪態をつきたいところだが出来るはずもないのでスルーして出ていこうとする。

手首を掴まれる。

「……なんですか？」

「いや…Aさんが悩んでそうだったから」

「そうですね。悩んでますよ」

貴方のことでね？！(二度目)

そらるさんに掴まれた手首がじんわりと熱を持ってしまって本当に好きなんだとしみじみと感じる。

しかし私がどんなことで悩んでいようとそらるさんには関係の無いことであって、気にする必要も無い。

どうして引き止めるんだろう。

首を傾げると、そらるさんは私をソファーの前まで連れていき、自分は静かに腰掛けた。

…え？座れってこと？？

「そらるさん、私仕事中です」

「分かってるよ。話したら帰してあげるから、」

お兄さんに話してごらん？

優しく微笑まれて、私には座る以外の選択肢が残らなかった。

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「恋バナだとは思わなかった」

ストローをかき混ぜながら目を丸くするそらるさん。ああそれ、まふくんもやってたなあとふと思い出す。

うーん。何で私本人への悩みを本人に話してるんだろ…

というかそらるさんもそらるさんだよ！私もうバレる覚悟で(一応名前は伏せてるけど)話してるのに、全く気づかないんだけど！

自分のことだなんて欠片も思ってないよこの顔！！

「鈍感なんだね、その人」

「そうですねー…」

貴方のことなんですが？(三度目)

呆れながら相槌を打つと、そらるさん、爆弾発言。

「俺だったら絶対気づくもん」

「嘘つけいいいい！？！？
気づいてないじゃないですかっ？！？！」

「え？」

「あっ」

自ら地雷を踏んでいくスタイル、私こんな冷静じゃない子だったっけ。