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「…怖くて怖くて振り向けなかった…振り向かなくても分かるんだ、気配で…」
「……っ！」
「…でも迫ってくる。意を決して振り向いた……と同時に気配は消えて、背後には誰もいなかった…」
「………」
「ああ…思い違いか。ほっとして、前を向いて歩きだそうとしたらそこには血塗れの女が！！！」
「ｷﾞｬｰｰｰｰｯ!!!!!!!」
そらるさんがスマホのライトを切って、怖い話を始めてそこそこ経った。
ちなみにこれで3話目である。
正直に言おう、めちゃくちゃ怖ぇえ。
そらるさん、向いてると思いますそういう仕事…
あ、でも、イケボでぼそぼそ喋られるのゾクゾクします。嫌いじゃないですむしろ好き。
百物語で話し終えてロウソクを消す行為に見立てて、スマホのライトが消される。
「……ふ、すごい悲鳴」
「いや、そらるさん、普通に怖いです」
「さっき俺の服の裾を思いっきりつまんでたのは何だったの？」
「…気のせいじゃないですかね」
「気のせいじゃねーよ」
すみません嘘です。さっきまでそらるさんの裾つまんで震えてたのは紛れなく私です。
怖い話地味に苦手なんだよ。そらるさん煽っといてそんなこと言えないけど！
そんな私の心境を知ってか知らずか。そらるさんは暗闇の中、楽しそうにくすくす笑う。
「……ま、いーんじゃない。怖いの苦手な女の子って可愛いじゃん」
「…普通、イケメンにそんなこと言われたらキュンキュンするはずなんですけど。
そらるさん棒読みすぎて響かないです心を込めてもう一回！！！！」
「………」
すると、そらるさんの空気が変わった気がして、
暗いけど、彼の軽く息を吸う音が聞こえて、
次の瞬間には耳元で言われてた。
「か・わ・い・い」
「うっ………」
「………うっ？」
「うわぁぁあああああッッ！！！」
「うお、びっくりした」
えっ、鼻血出てない、私？大丈夫？？
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作者名：- | 作成日時：2018年4月27日 22時
