密室、暗闇、二人きり。【そ.ら.る】 (ページ41)

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~番外編~ ページ41

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『これ、今度やるライブのチケット。良かったら来て？』

来て？と言う割には、来ないとどうなると思う？みたいな顔してましたけどね。

チケットを渡された時の彼の顔を思い出しながら座席に座る。何を隠そう、私はご本人から頂いたチケットでお二人のライブに赴いているのだ。

しかし変なこともあるもんだ。カラオケで出会ったイケメンが有名人で付き合ってライブに来るなんて。

あれ？私ってもしかして関係者…？と自分の立場を思い返して少し顔が熱くなる。

『みんな！今日は来てくれてありがとーーっ！』

まふくんの声。

顔を上げると、割と近いステージで2人は別人のように輝いていた。

わ、わ、すごい。

( すごいなぁ……… )

ライブに来たことの無い私は二重の意味で感動している。

ライブの高揚感と、あの二人の輝きに。

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一曲目が終わって、2人の挨拶に移った。

『あっ………』

『え？そらるさんどうしました？』

『………なんでもない』

『どうしちゃったのこの人！！怖い！』

2人のやり取りに笑いに包まれるドーム。

私は笑えずに俯いた。あの人今素で私の方見てあって言ったんだ……バカ！可愛い！もう！！

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『～～～♪』

綺麗なビブラート。カラオケでタダで聴いていたのだと思うと少し申し訳なくなっちゃうくらいの。

ファンサービスなのか、2人はステージをうろうろしてファンの子に手を振ったりしていた。まるでアイドルみたいだ。

『～～～～♪』

「……っ」

自惚れていると言われてもいい。

サビに入る直前、そらるさんは自分の唇に手を当てて、私の方に向かって手を差し伸べた。所謂投げキッス。

私の周りにいた女の子たちが一斉に黄色い歓声を上げる。

「～～～っ！！！」

赤みが引くまで、私はうちわで顔を隠すことにした。

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「照れちゃって、可愛いねぇ」

「やっぱりわざとだったんですね！？」