【wrwrd!】ぎこちない2人【kn】 (ページ2)

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2話(knside) ページ2

knside

俺には、ずっと前から想い人がいる。

こんな事を言ってはいるが、自分は昔から恋だとか愛だとか、そういったモノには興味が無かった。この感情を恋と呼ぶのは正解なのか、それは今でも分からない。

それでも、彼女のそばに居たい。
隣で、笑っていて欲しい。
この思いに嘘は無い。

彼女の事は、軍学校時代から知ってはいた。
元々そんなに多くもない女の軍人。そのほとんどは、訓練の厳しさからすぐに辞めていった。

残ったのは、男と並ぶ成績の良さを持った女ばかり。

彼女は成績が良い訳では無い。
もちろん、そこら辺の女よりかは何倍も高い身体能力をもってはいるが、それだけでは男だらけの軍には通用しない。

彼女も直ぐに辞めるだろうと、興味無さげに思っていた。

総統閣下や幹部からの引き抜きを断り、軍学校を卒業し俺は無事近接部隊に配属された。

そこには彼女もいた。

明らかに不得意である近接で、周りとの差も埋まるはずがなく。女という事もあり彼女は孤立していた。

未だに辞めていないことに多少驚きはした。

彼女の事が気になり始めたのは、満月の夜に訓練所で姿を見たのがきっかけだった。

もう消灯の時間が迫っていた時間帯。
一服でもしようと俺は少し離れた場所にある喫煙所に向かった。
その通りにある訓練所に、彼女がいた。
お世辞でも上手いと言えないような体の使い方、剣の振り方。

いつもの自分なら素通りする光景に、何故か足が止まった。

次の日の訓練で、彼女は少しだけ剣の振り方が上達していた。

周りから見るといつも通りの彼女。
それでも彼女自身はとても嬉しそうだった。

そこからは早かった。
目で追うようになってから、彼女のほんの
少しの上達に何故か頬が緩んだ。

1人で訓練し、
1人で上達し、
1人で喜ぶ。

彼女のその一つ一つの上達を、
俺も隣で一緒に喜びたい。

自分らしくない気持ちに戸惑いながらも
俺は彼女に抱く感情を恋と認識した。

_____俺が初めて恋を知った日。