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樹side
朝になると隣にある温もりは無くなっていてリビングから美味しそうな匂いがする、匂いに誘われると彼女がキッチンで朝ごはんを作っていた
樹「おはよ」
あ「あ、おはようございます、ごめんなさい、勝手にキッチンお借りして」
樹「全然いーよ、つか俺の分もある?」
あ「はい、作りました」
樹「やったー、食べてい?」
あ「お口に合うかは分からないですけど、あと樹さんお仕事は?」
樹「俺今日昼から」
そんな話をしているとテーブルに置いてあったAちゃんのスマホに着信を知らせる音、着信相手は〈陽太〉きっと昨夜話してたの彼氏だろう
樹「電話、いーの?」
あ「いいです、放っておけば」
樹「そ、でも今日ちゃんと話したほうが俺はいいと思うよ?ちゃんと自分が考えてること相手に伝えなきゃ伝わらねえから」
あ「わかってます」
Aちゃんの作ってくれたご飯を食べながらそんな話をする、彼女のすっぴんは今まで見たことないくらいキレイで透明感溢れていた
樹「Aちゃん」
歯を磨きながらソファーでスマホを弄っているAちゃん声をかけるとどうしました?って首を傾げる、連絡先を伝えるなら今しかない
樹「連絡先交換しませんか?」
あ「…え?」
樹「ダメ?」
あ「んや、ダメとかじゃなくていいんですか?」
樹「うん、俺一度狙ったら逃さねえって決めてっから」
あ「樹さんっぽい気がします笑」
そう言ってQRコードを差し出してくれる彼女、QRコードを読み取るとA、と名前が表示されアイコンは可愛い犬の写真だった
樹「犬飼ってんの?」
あ「実家で飼ってます」
樹「俺も飼ってるんだよね」
あ「そうなんですね、名前なんて言うんですか?」
樹「ソラ」
あ「え?ちょっと待ってください、家の犬リクです笑」
樹「え、がち?リクかソラで迷ったんだよな」
あ「ですよね、私も迷いました笑」
こんな何気ない会話で笑える女と話したのはだいぶ久しぶりな気がした、気を遣わず一緒にいると落ち着く感じが不思議だった
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作者名:ゆっぴー | 作成日時:2023年12月10日 21時