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樹side
北斗とAちゃんが中学の同級生と知ったときびっくりしたけどそれ以上に今もたまに会う仲の良さにびっくりしてる俺がいた
風呂の掃除をいつもより念入りにしながら考えることはAちゃんのことばっかでも他の女の連絡先じゃなくてAちゃんの連絡先がほしい
風呂を洗い終わってお湯を張ってリビングに戻るとAちゃんがパソコンとにらめっこしている、机には今日濡れた資料が置いてある
樹「資料だいぶ濡れちゃったね、やっぱ作り直し？」
あ「まぁ、こんな雨ですしね、今日は徹夜作業ですね笑」
そう言いながら大粒の雨が降り続ける外を少し寂しそうに見つめるAちゃん、彼女の横顔は今まで俺が見てきた女の誰よりも綺麗で儚かった
樹「どこで働いてんの？」
あ「広告作ってる企業で働いてます」
樹「じゃあいつか俺らのことも起用してね」
あ「私にそんな力ないですけどいつか樹さんと仕事できるの楽しみにしてますね」
樹「俺も打ち直しとかなら手伝うよ、パソコンで作って印刷でしょ？」
あ「いや、これ以上樹さんに迷惑かけれません」
樹「迷惑とかじゃねえって、Aちゃんのことほっとけねえだけ」
そう言って俺も自分のパソコンを立ち上げてAちゃんと同じアプリで資料を作る、交代でお風呂に入ってAちゃんは俺の服を着てる
あ「樹さん」
樹「ん、どした？」
あ「話聞いてもらってもいいですか？」
パソコンと向き合いながら俺にそう言うAちゃん、彼女の大きな瞳には薄く涙が張っていて少しだけ声が震えていて苦しそうだった
あ「私8年付き合って婚約指輪までもらった彼氏がいるんですけど今日たまたま仕事で嫌なことあって彼氏に慰めてもらおうと思ったんです
それで家に帰ったら彼氏他の女とベットで寝てたんです、信じられます？寝室から声が聞こえたからドア少し開けたら他の女と彼氏が寝てるって
私浮気とか正直バレなきゃしてもいいって思ってる変わったタイプの人間なんですけどやっぱり実際見ちゃうとショックでした
気づかないふりして帰ればよかったけど彼氏の顔見ちゃったら全部止められなくなりそうで雨が降ってる中飛び出しちゃったんです
もう死んじゃいたいなとか思ってたら知らないおじさんとぶつかって明日出す予定だった資料ビシャビシャにしちゃうしほんとついてない
誰かに話を聞いてほしかったんです、頑張ったねって言ってほしかったんです、ただそれだけなのに人生うまく行かないですね」
そう言って自傷気味に笑うAちゃん、俺は我慢できなくて華奢な彼女の身体をギュッと抱き寄せた、彼女の涙が俺の肩を濡らした
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作者名：ゆっぴー | 作成日時：2023年12月10日 21時
