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北斗side
あ「ねぇ、話長くない？」
北「え？」
中学校の入学式のとき後ろから話しかけてきたのがAだった、タイミングは校長先生が話してちらほら寝ている生徒が出てきた頃だった
あ「名前は？」
北「松村北斗」
あ「北斗ね、私は成瀬A」
Aって呼んでねって笑った彼女に俺は惚れてしまったんだと思う、彼女の容姿は清楚というよりは少しヤンチャが入っている美人
あ「私さ彼氏できたんだ」
北「え？ほんとに？」
あ「うん、サッカー部の陽太」
彼はサッカー部のエース桜井陽太、陽太って名前が似合うほど彼は明るくて学年も男女も問わずモテているそんな感じの太陽みたいな人だった
北「おめでとう、幸せにしてもらえよ？」
あ「もちろん」
中3の夏俺の恋は終わりを告げた、だから俺は彼氏にも浮気相手にもならなくていい""友達""という立場で彼女のそばにいることを選んだ
北「卒業しても俺と会ってくれる？芸能人とか関係なしに一人の友達として」
あ「会うに決まってるでしょ、北斗は私の大事な親友だから」
北「ん、ありがと」
俺はAの友達ランキングだったらNo.1なのかな、俺はAのことが好きだけどこの気持ちは墓場まで持っていくことになるだろう
あ「北斗に出会えてよかったよ、たのしい中学校生活だった」
北「俺もAと親友になれてよかったよ、じゃあまた連絡するから」
今目の前にいる彼女は俺の気持ちに気づいているのだろうか、""友達""という肩書き背負ってなんとかギリギリAの隣にいられる俺
彼女が陽太くんと別れたと聞いたときもしかしたらと思った俺がいた、でも彼女は俺じゃなくてメンバーの田中樹を好きになってしまった
あ「北斗」
北「ん？」
あ「私ね、樹さんのこと好きになっちゃったの」
北「…うん、知ってたよ」
あ「辞めろって言われたのに好きになるの止められなかった、ごめんね」
北「…しょうがないよ、好きって気持ちは大事にしたほうがいい」
あ「ありがと、やっぱ北斗と親友になれてよかったよ」
北「だろ？俺はいつだってAの味方だから、樹にもA傷付けるなって言っとくね笑」
あ「ん、ありがと笑」
こうやって笑い合えていればいい、俺は彼女の友達のNo.1にはなれるけど好きな人の好きな人にはなれないそんな自分がやけに虚しい
あ「じゃあお邪魔しました、またね」
北「またね」
俺が「好き」と言う２文字が伝えられないのは「ごめん」という3文字が返ってくるのが怖いから、もう元には戻れないって分かってるから
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作者名：ゆっぴー | 作成日時：2023年12月10日 21時
