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Aside
陽太と別れてからもう1週間以上が過ぎようとしていた、もちろん樹さんとのトーク画面はあの日から止まったままだった
あ「鮫島さん、資料確認お願いします」
凜華「早く仕事できるようになったのね」
あ「ありがとうございます」
先輩からも褒められるようになって仕事は順調だった、ただたまに樹さんに会いたいって思ってしまう自分がいることに苦しくなる
ある日の午前中に成瀬さんに来客ですって受付からの電話、とりあえず受付に向かうとそこにはコートを着た見知らぬ女性が立っていた
あ「えっと、どちら様ですか?」
?「望月結夏と言います」
あ「ごめんなさい、全然覚えてなくて、どこでお会いしましたか?」
結夏「初対面です、陽太さんのことでお話がしたくて」
あ「…え?」
普通浮気相手が私の仕事場まで来るだろうか、なんで仕事場を知ってるんだ?陽太に教えてもらったってこと?どっちにせよ彼女と話す暇などない
あ「私はなんにも話すことないですけど」
結夏「へぇ、じゃあこれバラしてもいいですか?」
そう言って彼女のスマホに表示されていたのは顔こそあまり分からないが明らかに樹さんと私のあの日の姿だった、てかなんでその写真を?
あ「なんでその写真」
結夏「たまたまです、あなたが話したくないなら私はこれを週刊誌に売るだけですよ」
あ「それだけは絶対辞めてください」
結夏「じゃあ今日の夜、私の家で待ってますから」
仕事終えタクシーで紙に書かれた住所を告げる、インターホンを鳴らすと午前中に聞いた女の声と聞き覚えのある男の声が聞こえてきた
陽太「っ、A?」
あ「同棲までして結婚まで秒読みなの?幸せそうで何よりだよ」
結夏「Aさん、浮気あれが初めてじゃないですよ」
あ「は?」
陽太「結夏、嘘つくなよ!俺に抱かれたのはあれが初めてだっただろ?」
結夏「今更嘘ついたって無駄じゃないですか、だって陽太先輩はもうAさんに未練無いんでしょ?」
目の前で繰り広げられる痴話喧嘩、二人に腹が立つんじゃなくて1回目じゃなかったことに気づかない自分に怒りがわいてくる
あ「1回目だとか何回目だとかどうでもいいです、結夏さんの言いたかったことは浮気初めてじゃないってことですよね」
教えてくれてどうも、お邪魔しましたって部屋を出る、心が傷ついてるのは気づかないふりをしたかったのに何故か涙が止まらない
家に帰って誰かに話を聞いてほしくて私は樹さんの名前をタップしていた、少しのコール後運転中だから家帰ったらかけ直すねってメッセージが送られてきた
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作者名:ゆっぴー | 作成日時:2023年12月10日 21時