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北斗side
気づかなければよかった、樹が誰かからの連絡を待っていてチラッと覗いたらスマホにAという俺の大事な人の名前が表示されてることに
北「誰かの連絡待ってんの?」
樹「ん?あー、そんなとこ」
いつもの樹にしては歯切れが悪い、いつもの女だったら別にとか言ってすぐブロックするくせにAはブロックせず連絡を待っている
北「あいつ、彼氏いたよな」
樹「ん?なんか言った?」
北「なんも」
最近会ってないなって思ってスマホを開くと手は勝手にあいつの名前をタップする、俺は〈今週の土曜会えない?〉ってメッセージを送っていた
割とすぐに既読がつきいいよってスタンプだけが送られてくる、ふと横目で見れば樹はまだスマホを弄って色んな女の連絡先を消去していた
土曜日にうちに来たAは心なしか痩せたような気がしたけど俺の気も知らないで北斗の彼女みたいだねって冗談を言うところは変わってない
ご飯を食べる前に彼氏と別れたんだよねって衝撃的な告白をしてきた彼女、理由はもっと衝撃的だったしその後のことも俺にとっては衝撃だった
あ「陽太が陽太の後輩の女と浮気して私が家に帰ったとき二人でベットで裸でやることやってた」
北「それで、あなたはどうしたの?」
あ「とりあえず訳わからなくなったから家から飛び出した、そしたら道で酔っ払いのおじさんにぶつかって資料とか全部びしょびしょ」
北「すぐ俺に連絡してくれればよかったのに、俺迎え行ったよ?」
あ「それも考えてたんだけど一緒に資料拾ってくれた人が北斗のメンバーの田中樹さんだったの、だからその日は樹さんの家に泊まった」
"樹"という名前を聞いたとき頭を殴られたような感覚がした、樹が今までの女の連絡先を消してたのもきっとAに惚れてしまったから
北「その一回だけ?それ以降は樹と会ってない?」
あ「連絡先交換して、彼氏と別れたこと報告してって言われたから報告してそれ以降会ってもないし連絡もしてない」
そう言ったAの顔はなぜか悲しそうでAも樹に惚れたんだろうなってすぐにわかった、でも俺は彼女の気持ちに気づかないふりをした
北「そっか、樹だけはやめときなよ」
あ「なんで?」
北「樹は女遊びが激しいから、またAが傷つくのは俺が嫌だよ」
これは本心だった、でも樹のせいで傷付くなら俺がこの先一生をかけて幸せにしたい、とは言えなかった、だってAを困らせるだけだから
あ「北斗に言われなくても樹さんのことは好きにはならないからだいじょーぶだよ」
北「うん、そうして」
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作者名:ゆっぴー | 作成日時:2023年12月10日 21時