田中樹が永遠の愛を誓った女 (ページ12)

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樹side

日付けを跨ぎ寝ようかなって思ったら〈彼と別れました。明日には家から出て行きます。色々ありがとうございました。〉って彼女からの連絡
報告は嬉しかったが俺の脳裏には昨日の泣いている彼女の姿が浮かび気づけば通話ボタンを押していた、すぐに""もしもし""って涙声が聞こえた

樹「もしもし、Aちゃん？」

あ『…そうですよ』

樹「ちゃんと言いたいこと言えた？」

あ『言えました、でもね樹さん』

樹「ん、どした？」

あ『私のせいだったみたいです』

樹「…は？」

あ『私がずっと仕事ばっかだったから、寂しかったらしくて魔が差したって言われました』

樹「なんだよ、それ」

結局私のせいだなぁって声と一緒に乾いた笑い声が彼女のほうが聞こえてくる、その笑った声も心なしか震えていたような気がした

樹「Aちゃんは悪くないでしょ、Aちゃんは仕事頑張ってんじゃん」

あ『樹さんだけですよ、そう言ってくれるの、でも仕事だけに一筋じゃだめなんですよね』

樹「…ん、そっか、そうだね」

あ『樹さんありがと、たくさん助けてくれて』

初めてタメ語になった彼女、そのあと声をかけても返事がないから心配になったけど小さく寝息が聞こえてきて安心した俺がいた

樹「Aちゃんは大丈夫、おやすみ」

通話は俺からは切れなくて俺も電気を消して眠りについた、朝マネージャーのピンポンの音で起きると通話は切れていてメッセージが1件

A通話繋いだままで寝ちゃってごめんなさい、話聞いてくれてありがとうございました

やっぱりこの子のこういうところが律儀でいいなって思ったら顔に出てたのかマネに顔ニヤけてますよって言われた、俺もそれにちゃんと返信した

樹全然大丈夫だよ、また何かあったらいつでも俺に連絡しろよ

そのメッセージはすぐに既読がついてスタンプだけが送られてきた