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Aside
今日だけは残業せずに陽太のいる家へとまっすぐ帰る、鍵を開けるとリビングからは陽太の得意料理の肉じゃがの美味しそうな匂いがした
あ「陽太、ただいま」
陽太「A、おかえりなさい」
私の指にも陽太の指にもあの日に約束した永遠を誓うための指輪がつけられていた、お互いにもう少しだけって思っているんだろうな
陽太「昨日どこ行ってたの？」
あ「…友達の家」
陽太「そか、」
あ「ご飯食べたら話したいことあるんだけどいい？」
陽太「…うん」
私達の間を流れる沈黙、前まではこの沈黙さえ心地よかったのだけれど今は地獄の雰囲気が部屋の中を漂っているように思える
陽太「はい、お待たせ」
机に並べられた肉じゃがとサラダ、いつも通りワインを注いで乾杯ってグラスとグラスがぶつかる音がする、でもきっとこれが彼との最後の晩餐
あ「陽太の作る肉じゃがはやっぱり美味しいね」
陽太「そう？よかった」
ご飯を食べ終わって歯を磨き終わって深呼吸してから椅子に座る、向かい合うと言葉って全然出てこなくて陽太の綺麗な瞳に吸い込まれそうになる
あ「あのね、」
陽太「…昨日のことでしょ、やっぱり見てた？」
あ「見るつもりはなかったっていうのは変なのかもしれないけど家帰ったら彼氏と知らない女が寝てるって結構しんどいよ
私じゃなにか足りなかったの？あの女は誰？8年あなたと付き合って結婚の約束までして親にも挨拶済んでいるのになんで浮気？」
陽太「っ、ごめん、だってA最近仕事ばっかで夜も家に帰ってきても出来ない日が増えていって俺自身が物足りなくなってた
あの女は会社の後輩、元々俺のことを好きって言ってくれててそれまではずっと彼女いるからってちゃんと断ってたんだよ
でもあの日魔が差して、どうせ今日も遅いんだろうなって思ったらあの女連れ込んで気づいたら一緒に寝てた、ごめんなさい」
結局私に何かが足りなかったっていうことじゃん、私が陽太を寂しくさせていたからこんなことになったっていうこと？なんだ私のせいってことか
あ「私のほうこそごめん、私達もうダメだね、別れよ」
陽太「…そうだね、別れよう」
あ「明日には荷物まとめて私が出ていくから、この家は陽太が決めてくれたから陽太が飽きるまで住んで」
陽太「ん、わかった、Aは今日寝室で寝て？俺はソファーで寝るから」
あっさりとしてるのかなって思いながらも寝室に入ると涙が止まらなかった、それだけ陽太のことを愛してたんだろうなって
あ「…樹さんに連絡しなきゃ」
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作者名：ゆっぴー | 作成日時：2023年12月10日 21時
